
薬剤師って女性でも年収が高いイメージがありますよね。
「資格もあるし、女性でも将来安定そうなイメージがあるから、薬学部に入学した。」という話もよく聞きます。
それでは実際、女性薬剤師の年収はどれほど高いのか、今回はいろいろな角度から見ていきましょう。
また、女性はライフステージによって、キャリアを考えないといけないことが多いので、女性薬剤師として年収を確保するには、職場選びも大切です。
女性薬剤師としての活躍・高収入を目指すあなたのお手伝いができると思いますよ。
女性薬剤師の年収をさまざまな角度から検証
まずは厚労省が発表している、最新の令和2年賃金構造基本統計調査から、女性薬剤師の年収をさまざまな角度で見ていきましょう。
全職種と薬剤師の年収比較
最初に、薬剤師であれば年収が高いというイメージは、一般的な女性と比べて、実際どれほどのものかを見ていきましょう。
年齢別に、女性薬剤師と全職種の女性での年収を比較したグラフがこちらです。
✳︎短時間労働者を除いた一般労働者での比較

どの年代を見ても、薬剤師の方が年収が高いと見て取れます。
その傾向も、特に60代以降、顕著(けんちょ)に現れてきている様子が見えますね。
一般に退職を迎えた年齢以降、女性が収入を維持するのは難しいと思います。
しかし、薬剤師であれば、ある程度現役時代の収入を確保したまま、働くことが可能であると言えるでしょう。
「薬剤師であれば年収は高い」というイメージは、実際の数字上からも間違っていなかったと分かりました。
一般と比較した主婦パートの年収比較
全国の主婦のパートの平均時給は1,070円と言われています。
それに対して、女性薬剤師のパートの平均時給は2,240円です。
時給において、約2倍の差があります。
たとえば、よくある主婦の働き方、1日5時間×週5日で年収を計算すると
一般的な主婦パートの平均:年収128万円
薬剤師パートの平均:年収269万円
これだけの違いが出ます。
女性の薬剤師は、主婦がパートとして働くにあたっても、年収が高いということが言えますね。
他の女性医療従事者との年収比較
続いて、他の医療従事者と薬剤師で、女性の年収を比較してみましょう。
職業 | 年収 |
医師 | 1082 万 |
歯科医師 | 661 万 |
獣医師 | 498 万 |
薬剤師 | 505 万 |
看護師 | 455 万 |
准看護師 | 389 万 |
診療放射線技師 | 423 万 |
臨床検査技師 | 443 万 |
栄養士 | 358 万 |
薬剤師は、他の女性医療従事者と比較しても、年収は高めであることが見てとれます。
特によく比較されがちな看護師についても、薬剤師の方が年収が高いという結果が出ていますね。
ただ、6年制の大学を卒業しなくてはいけない資格(医師、歯科医師、獣医師、薬剤師)においては、残念ながら年収は低めと言えるでしょう。
年齢別・男女での年収比較
最後に、薬剤師の中で、男女の年収の差はどれほどあるのかを見てみましょう。
年齢 | 男性 | 女性 | ||
月収 | 年収 | 月収 | 年収 | |
20〜24歳 | 27.0万 | 331万 | 29.2万 | 355万 |
25〜29歳 | 32.4万 | 456万 | 29.3万 | 419万 |
30〜34歳 | 34.5万 | 517万 | 31.9万 | 475万 |
35〜39歳 | 40.7万 | 611万 | 34.6万 | 508万 |
40〜44歳 | 42.9万 | 628万 | 36.5万 | 533万 |
45〜49歳 | 46.9万 | 703万 | 38.6万 | 580万 |
50〜54歳 | 47.6万 | 696万 | 41.1万 | 591万 |
55〜59歳 | 45.8万 | 679万 | 41.7万 | 598万 |
60〜64歳 | 45.2万 | 630万 | 35.3万 | 506万 |
65〜69歳 | 70.6万 | 901万 | 38.7万 | 500万 |
70歳〜 | 26.2万 | 362万 | 36.4万 | 473万 |
男性薬剤師の方が女性と比較して、全体的に給料が高くなっていることが分かりますね。
やはり「出産・育児などのライフステージでキャリアを断念する女性がいるため、どうしても男女で年収の差が生まれてしまっている」と言えるでしょう。
しかし、「全職種で見た男女の年収差」と「薬剤師の男女の年収差」を比較すると、以下のようなグラフになりました。

こちらのグラフは、男性の年収を100%と見た時に、女性の年収が何%にあたるかを示しています。
これを見ると、全職種の方は男性の年収に対して、女性の年収が6割近くまで下がっている時期が多いです。
しかし一方、薬剤師の方は、65歳〜69歳を除く全ての年代で、男性の8割以上の年収を確保しています。
(65〜69歳の男性薬剤師の年収は、退職金の兼ね合いで跳ね上がっていると予想される。)
これより、薬剤師という職業は、他職種と比較して男女の賃金差が生まれにくい、と捉えることができますね。
ライフステージにより、キャリアを断念している女性薬剤師がいることは否めないです。
しかし、他の職種と比較すれば、「薬剤師は女性が活躍しやすい職業である」と言えるのではないでしょうか。
女性薬剤師が年収を上げるためには
ここからは、女性薬剤師がさらに年収を上げるための方法について、考えていきたいと思います。
役職をつける
どのような職場であっても、出世して役職がつけば当然給料は上がります。
「でも、女性で役職をつけるって大変でしょう?」
そういったイメージもあるかもしれません。
女性薬剤師が役職をつけるということについてご説明いたします。
役職がつけば年収は170万円もアップ
役職をつけると年収は大きく上がります。
薬剤師において一般職と役職者で分けた際、年収にどれほどの違いがあるのかを以下に表しました。
性別 | 全体 | 一般職 | 役職者 |
男性 | 624 万 | 588 万 | 713 万 |
女性 | 527 万 | 505 万 | 676 万 |
男女計 | 565 万 | 534 万 | 698 万 |
このように、女性が役職者になれば、170万円近く年収がアップする可能性があります。
役職というと、恐れ多い感じもしますが、薬剤師として一番身近な役職といえば、管理薬剤師ではないでしょうか。
多くの企業で採用している管理薬剤師手当がもらえることで、このような大幅な年収アップが期待できます。
その額は、会社によって月に1万円〜10万円とかなり開きがあります。
単純に管理者としての業務負担が大きいほど、手当も高額になると思っていただいて良いでしょう。
薬剤師は女性の役職者割合がトップクラス
男女共同参画社会を目指す今の日本において、女性管理職はもはや珍しくありません。
むしろ、世界的に女性の社会進出が遅れている日本では、「2025年に役職者の立場の女性割合を20%にする」という目標を掲げ、女性の役職者を推進しています。
そんな中、内閣府の男女共同参画局が配布するパンフレットの中で、各職業における役職者の割合が発表されていました。
グラフ:各分野における『指導的地位』に占める女性の割合

(出典:ひとりひとりが幸せな社会のために~令和2年版データ~)
これを見ると、薬剤師は女性の役職者が65.6%と、その他の職業を圧倒する数値を出しています。
現在薬剤師の男女比は、約4:6です。
平成 30(2018)年 医師・歯科医師・薬剤師統計の概況(厚生労働省)
それを踏まえると、薬剤師の中では、むしろ男性よりも女性の方が役職者になる割合が高いとも言うことができるのです。
そのため、たとえ出産・育児の休暇で多少ブランクが空いたとしても、それによってキャリアが絶たれる心配は少ないでしょう。
子育てと両立した役職者というのも、これからの時代のモデルタイプとして歓迎されるのではないでしょうか。
薬剤師として働いていれば、女性もキャリアを伸ばし続けることが期待できますね。
正社員を続けることができる会社を選ぶ
実は、薬剤師であれば、パート雇用でも正社員並みの年収を得ることが可能です。
驚愕!薬剤師はパートと正社員で年収が変わらない!?パートに転身するには?
ただ、やはりある一定の年収以上を目指そうと思うと、パートでは限界があります。
先ほどお伝えした、役職をつけるという方法も、そもそも正社員を継続できるという前提での話です。
この「正社員を続ける」ということが、女性であると難しくなることも多いですよね。
いかに正社員を継続させながらキャリアアップしていけるかどうかが、女性薬剤師の年収アップにとって重要だと言えます。
ライフステージで考えると、まず最初に訪れる可能性が高いのが「結婚に伴う引っ越し」ではないでしょうか。
そして、次に考えられるのが、多くの人がキャリアを断念することが多い「出産・育児」。
これらをどう乗り切るかが、大きな課題と言えるでしょう。
旦那の転勤についていけるか
結婚してパートナーを持つ人生を歩んでいくのであれば、まず最初に「旦那さんの勤務先と自分の勤務先の折り合いをつける」という作業が発生します。
もし旦那さん側の勤務先に合わせないといけない場合に、こちらが条件の良い会社を退職しないといけないのは、もったいないですね。
また、旦那さんが転勤になった場合も同様です。
それであれば、最初から向こうの職場や転勤が予想される範囲に店舗を持つ、薬局やドラッグストアに就職しておけば問題ないでしょう。
大学時代からお付き合いをしている人がいて、その人との結婚を考えている女性などは全国チェーンの薬局を探したりする傾向もありますね。
大学時には「そんな先のことまで考えててすごいね。」と言いながらも「そんな予定通りことが運ぶわけないし、ちょっと先走って考えすぎじゃない?」とも思っていました。
ただ、今となると、長い目をもって就職していた彼女たちに「先のことまで考えていて、本当にすごかったんだね。」と素直に声をかけたいです。
育短は会社によって何歳まで取れるかまちまち
育児休暇は国によって「1歳まで、延長しても最大2歳まで」と決まっています。
大抵の会社はその通りですが、特別に製薬会社などであれば、3歳まで育児休暇がもらえることもあるようです。
ただ、復帰後の育児短時間勤務に関しては、製薬会社に限らず、勤務先で全く異なるため、こちらは注意が必要でしょう。
国が定めているのは「3歳の誕生日を迎えるまで」です。
3歳になったその日からフルタイムに戻れというのは、やや残酷なもので、子供はまだ幼稚園の年少クラスにもなっていません。
しかも、仮に9時〜18時の定時でなんとか毎日上がれたらいいですが、薬局やドラッグストアは夜診も多く、
「同じフルタイムなのに、なんであの人は子持ちだからって優遇されるの?」と言う不満も出てきてしまいます。
そういった店鋪での軋轢(あつれき)を生まないためにも、各社独自で追加の育児短時間勤務制度をとっています。
ただ、4歳まで、小学校入学まで、4年生になるまで、など会社によって期間はさまざまです。
新卒時にはなかなかそこまで着目しませんが、いざそのライフステージに立った時は、非常に重要となる福利厚生です。
転職するならなるべく産前に
新卒時にはそこまで考えが及ばなくても、今の会社でライフプランを描いた時に不安を感じられるのであれば、転職するのもありだと思います。
ただ、出産や育児のタイミングを考えた時、安易にすぐ転職するというのも躊躇(ためら)われますよね。
特に気にされる方も多いのが「出産手当金」「育児休業給付金」ではないでしょうか。
こちらは転職後1年が経過していれば、しっかり受け取ることができます。
実は細かくいうと、「出産手当金」は転職直後から受け取れますし、転職後1年経たずとも、条件によっては「育児休業給付金」も受け取ることができます。
気になる方は、こちらのサイトで詳しく解説しているので、ご参考になさってください。
転職者が知っておきたい育児休業給付金の受給条件とは?完全月って何?(育児の悩みを解決!irohaの育児ライフ)
お金の問題だけじゃなく、転職後にすぐ妊娠して産休に入るのは、気持ちの面で気が乗らないという人もいるかもしれません。
ただ、産後に転職をする方が大変ではないかと思います。
今の会社で時短勤務などが手厚くないのであれば、結局時短勤務が切れた時に、転職や雇用形態を考えないといけなくなるでしょう。
その際は、たとえ新しい会社が手厚い時短勤務を持っていたとしても、転職後1年間はその制度を利用することができません。
そう思うと、長期的な目線で見た時に不安がある会社であれば、産前に見切りをつけたほうが得策かもしれませんね。
女性薬剤師が転職するなら薬キャリがおすすめ
キャリアを求めて、女性薬剤師が転職を考えられるのであれば、転職エージェントの力を借りることをおすすめします。
各会社の時短勤務や福利厚生の全てを、1から自力で調べ上げるのは大変な作業でしょう。
しかし、転職エージェントであれば、そういった情報を全て把握していますし、条件に合う求人を向こうから見つけてきてくれるのです。
そこで、私は女性薬剤師の転職であれば薬キャリをおすすめします。
専門サイト「薬キャリmama」も運営!女性薬剤師のライフステージ問題に詳しい
薬キャリは薬剤師登録者数NO.1の超大手求人サイトです。
いろんな専門サイトも運営しているのですが、その中にママ薬剤師をメインとした「薬キャリmama」というものがあります。
ここでは、既に子持ちのママ薬剤師だけでなく、これからのライフプランでママになる予定の女性薬剤師の転職も重点的に扱っています。
ですので、女性のライフステージを長期で見た求人提案は大得意です。
女性が転職を考えた際は、強い味方になってくれるでしょう。
求人数が多く利用者満足度も高い
薬キャリは、同じく大手のマイナビ薬剤師やリクナビ薬剤師、ファルマスタッフなどと提携しているため、大手転職サイトの求人情報を一括検索できます。
求人数が多いと、その分、自分の希望に叶う職場の候補も多いということですので、選択肢は多いに越したことはありません。
また、エージェントのレスポンスの速さや、要望にマッチした求人を探してくる力が的確、という評判もよく聞きます。
それにより、利用者から得たエージェントの満足度は95%というデータも出ているようです。
安心して転職活動を任せることができるでしょう。
まとめ

今回は薬剤師の女性の年収について、多方面からデータを通じて見ていきました。
そこで、
- 女性薬剤師は全職種に対して年収が高い
- 主婦パートで働いた時も、一般的なパートより2倍ほど年収が高い
- 他の医療従事者と比較しても年収が高い方
(ただし、6年生大学卒の職業内では低め)
- 男女での賃金差が少ない職種
ということが、明らかになりました。
また、女性薬剤師が年収を上げるためには、「会社選びが大切である」ということができるでしょう。
今から会社を選ばれる方は、ライフステージを見据えて会社選びを行うと、生涯にわたって、高い年収が見込める可能性があります。
また、現在の会社では不安がある方も、転職してからしばらく経てば、新しい会社での福利厚生などを受けることが可能です。
薬剤師は転職の多い職業ですし、新卒の入社時に選んだ会社で、全てが決まるわけではありません。
これからさらに年収を上げたいと薬剤師の女性が考えるのであれば、薬キャリを利用した転職をおすすめします。
薬剤師は男女の年収差や立場の差が少なく、女性でも活躍しやすい職業です。
ライフステージを見据えた働き方を踏まえ、女性として、素敵なキャリアを築き上げていってください。
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