薬剤師になるには

薬剤師をユーキャンで目指すのちょっと待って!取れる資格徹底解説!

調剤薬局で働こうと思って「ユーキャンで薬剤師資格を取ろう」と考えていませんか?

しかし、残念ながらユーキャンで薬剤師の資格は取れないのです。

ただ、他にも調剤薬局で活かせる資格はあるので、その資格取得を考えると選択肢が広がりますよね。

そこで今回はユーキャンで取得できる調剤薬局事務や登録販売者の資格について解説していきます。

給料や仕事内容、資格の取り方なども比較解説していきますので参考にしてください!!

ユーキャンで薬剤師を目指せない理由は?

国家資格である薬剤師になるには、薬剤師国家試験を合格する必要があります。

ただ、試験に受かればいいというものでもないです。

そもそも受験できる資格が必要なのです。

国家試験の受験資格は薬剤師法によって定められています。

(受験資格)

第十五条 試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、受けることができない。

一 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学において、薬学の正規の課程(同法第八十七条第二項に規定するものに限る。)を修めて卒業した者

二 外国の薬学校を卒業し、又は外国の薬剤師免許を受けた者で、厚生労働大臣が前号に掲げる者と同等以上の学力及び技能を有すると認定したもの

引用:薬剤師法

つまり、大学の薬学部へ入学して6年間勉強してはじめて薬剤師国家試験が受けられるのです。

ユーキャンは通信講座ですから薬剤師国家試験の受験資格は与えられません。

これがユーキャンで薬剤師を目指せない理由です。

薬剤師国家試験の受験資格について解説した記事もありますので参考にしてください。

薬剤師国家試験の受験資格を得るのに何が必要?これ間違えると受験不可!?

ユーキャンで取れる資格は?

ユーキャンで薬剤師の資格が取得できない理由がはっきりしたと思います。

では、ユーキャンで取得できる調剤薬局などで活かせる資格について紹介していきます。

  • 「調剤薬局事務」
  • 「登録販売者」

まずは、この2つがどのような資格か解説していきます。

調剤薬局事務

「調剤薬局事務」と呼ばれる資格には次のようなものがあります。

  • 調剤薬局事管理士(R)
  • 医療保険調剤報酬事務士
  • 調剤事務実務士(R)
  • 調剤報酬請求事務専門士
  • 調剤薬局事務検定

これらの資格は所定の団体が開催する講義を受講したり、学科試験などを合格したりすることで与えられます。

ユーキャンで取得できる資格は調剤薬局事務管理士(R)調剤事務実務士(R)調剤薬局事務検定です。

調剤薬局で働くならこれらの資格取得を目指すのもひとつの方法です。

登録販売者

登録販売者は2006年より登場した比較的あたらしい資格です。

主な仕事は要指導医薬品と第1類医薬品以外の販売になります。

つまり、OTC医薬品(処方箋なしで購入できる医薬品)の販売が主な仕事です。

また、登録販売者の中には「調剤薬局事務」の資格を持ちあわせて働く方がいます。

調剤薬局にはOTC医薬品などを求めて来局される方も少なからずいます。

そうした方に対して販売対応もできる方は特に重宝される人材と言えるでしょう。

薬剤師・調剤薬局事務・登録販売者の違いを徹底比較!!

では、この2つの資格と薬剤師はどのような違いがあるのでしょうか。

  • 仕事内容の違い
  • 給料の違い
  • 働ける場所の違い
  • 資格のとり方の違い

順番に確認していきましょう。

仕事内容の違い

まずは薬剤師・調剤薬局事務・登録販売者の仕事内容の違いを順番に確認していきましょう。

薬剤師の仕事内容

薬剤師の主な仕事は以下3のつです。

  • 処方せんの内容確認、疑義紹介
  • 処方せんの調剤と患者さんへ薬の説明、その内容の記録
  • 医薬品の販売、保管管理

特に、疑義紹介は薬剤師だけが行える仕事です。

疑義紹介とは、医師が出した処方せん内容で「あれ?」と思ったところを確認する仕事をいいます。

薬の処方間違いなどの医療事故を防ぐ重要な役割を担っています。

また、医薬品のうち以下の3つは薬剤師でなければ販売できません。

  • 処方せん医薬品(医師が出す処方せんをもとに調剤する医薬品)
  • 要指導医薬品(市販薬のうち、処方せん医薬品とほぼ同じ扱いをしてもらいたい医薬品)
  • 第1類医薬品(市販薬のうち、最も副作用などを注意してもらいたい医薬品)

医薬品に関連するすべてに責任を持つ点が「調剤薬局事務」「登録販売者」との違いと言えるでしょう。

調剤薬局事務の仕事内容

調剤薬局事務は受付・会計・請求の3つの仕事を担当します。

受付では薬局に来た患者さんの処方せんの受け取りや保険証、お薬手帳の確認などを行います。

会計は患者さんの保険負担割合によって金額が変わるので間違いのないように注意が必要です。

請求では、レセプトと呼ばれる明細書を作成します。

これは、患者さんから会計でもらった金額の残りを健康保険組合などに請求するための書類です。

このレセプトに不備があると返戻(請求の差し戻し)が発生してしまいます。

また、調剤報酬は2年に1度改定されますので情報のアップデートが常に必要です。

調剤報酬とは、医師が出した処方せんをもとに患者さんへ薬を渡す際に請求できる手数料を意味します。

手数料は内容によって上がったり下がったりしますので2年ごとに覚え直すのは大変ですよね。

患者さんから「あれ、いつもより会計が高いけど?」と聞かれることもあります。

きちんと説明してくれると患者さんはもちろん、一緒に働く薬剤師の安心感も違うでしょう。

登録販売者の仕事内容

登録販売者の主な仕事はOTC医薬品(第2類医薬品と第3類医薬品)の販売です。

OTC医薬品は処方せん医薬品とほぼ同じ成分が含まれています。

ですから、登録販売者が飲み合わせなどを確認しなければなりません。

特に、普段から薬を飲んでいる方の市販薬相談や健康相談の際に登録販売者としての知識をフル活用します。

市販薬として購入できるOTC医薬品は年々増えていますので資格取得後も勉強が必要ですね。

給料の違い

では、3つの資格の給料について確認していきましょう。

以下の表は「平均年収」「パート・アルバイト平均時給」「派遣平均時給」をまとめたものです。

参考:求人ボックス 給料ナビ

薬剤師は国家資格であり、仕事内容に対する責任も大きい分だけ収入は大きくなります。

一方で、調剤薬局事務や登録販売者の収入に大きな差はありませんね。

しかし、2つの資格を持っている場合は資格手当を出してくれる調剤薬局もあります。

希望する勤務先が決まっている場合は事前に確認しておくと良いでしょう。

働ける場所の違い

働ける場所の違いについても確認していきましょう。

  • 薬剤師の働ける場所
  • 調剤薬局事務の働ける場所
  • 登録販売者の働ける場所

順番に解説していきます。

薬剤師の働ける場所

薬剤師の働ける場所は様々です。

働く場所として主な職場は調剤薬局やドラッグストア、病院などでしょう。

ですが、公務員薬剤師として行政などの制度づくりに携わる方法もあります。

また、その他にもフリーランス薬剤師として活躍する薬剤師も登場してきています。

詳細についてはこれらの記事を参考にしてください。

薬剤師で公務員?公務員薬剤師の仕事内容や就職方法などを徹底解説

薬剤師もフリーランスとして活躍できる?年収やなり方まで徹底解説!

働き方に大きな幅を持たせられるところが特徴でしょう。

調剤薬局事務の働ける場所

調剤薬局事務の働ける場所は「保険調剤薬局」に限られます。

一般的には、大手の調剤薬局や個人経営の調剤薬局に勤めますが、勤務先によって特徴は様々です。

大手の調剤薬局で実績を積むと、ラウンダーとして一定地域を任せられる場合もあります。

個人経営の調剤薬局では、決められた店舗での勤務が続きます。

あなたが希望する勤務方法によって働き先を探すのもひとつの方法ですね。

登録販売者の働ける場所の違い

調剤薬局事務と比べると登録販売者の働ける場所は多くなります。

  • 調剤薬局やドラッグストア
  • スーパーやホームセンター、家電量販店などのOTC医薬品販売コーナー
  • OTC医薬品を販売する一部のコンビニ

登録販売者はOTC医薬品に関する専門家です。

OTC医薬品を広くカバーできる登録販売者の需要はこれからも増えるかもしれません。

資格の取り方の違い

では、それぞれの資格はどのようにして取得するのでしょうか。

  • 薬剤師資格の取り方
  • 調剤薬局事務資格の取り方
  • 登録販売者資格の取り方

順番に解説していきます。

薬剤師資格の取り方

薬剤師は国家試験を合格しなければなりません。

この国家試験の受験資格は誰にでも与えられるものではありません。

薬学部の卒業が必要ですので、資格取得となると最低でも6年の時間がかかるのが注意点です。

薬学部への入学を考えるならこちらの記事を参考にしてください。

薬剤師になるにはどの大学?現役薬剤師が大学選びのポイントを解説!

調剤薬局事務資格の取り方

調剤薬局事務資格の取り方について以下の表にまとめました。

ユーキャンで取得できる資格は受験資格に制限のないものが対象です。

なかでも調剤薬局事務検定は合格率も90%程ありますから取得しやすい資格と言えるでしょう。

「資格を取ってすぐに働きたい」と考えるならひとつの選択肢になりますね。

登録販売者資格の取り方

登録販売者は登録販売者試験の合格が資格取得の条件になります。

試験は年に1回、8月~12月にかけて都道府県ごとに試験を実施します。

受験資格に年齢制限などは無く、誰でも受験可能です。

試験の問題数は全120問、正答率は全体の7割以上が合格ラインです。

試験の合格率は40%~50%程度と決して簡単な試験ではありませんが独学で合格を目指す人もいます。

ですが、ユーキャンなどの通信講座などを利用して合格率を上げるのを考えてもよいでしょう。

薬剤師・調剤薬局事務・登録販売者のメリット・デメリットは?

ここまで3つの資格の違いについて解説しました。

それぞれの資格によって出来る仕事内容や収入、勤務場所に違いがありますね。

次は、3つの資格のメリット・デメリットについて順番に解説していきます。

薬剤師のメリット・デメリット

薬剤師の最大のメリットは、他の2つの職種と比べたときの収入の高さでしょう。

薬剤師の平均年収493万円と200万円近く収入に差が生まれます。

また、調剤薬局や病院、ドラッグストア、公務員薬剤師など様々な働き方・働ける場所の選択肢の多さが特徴です。

働き方にある程度自由が効き、収入も悪くない点は2つの資格と大きく異なる点ですね。

また、薬剤師のデメリット資格取得までの期間が長いところでしょう。

薬学部に入学しなければならず、国家試験合格まで最短で6年かかります。

6年間も勉強できるか自信がない場合は一度考え直すのもひとつでしょう。

また、私立大学の学費は非常に高額です。

6年かけて薬剤師として働き始めても奨学金返済する人は多くいます。

薬剤師としての収入が高い反面、薬学部在学中の出費が多いところもデメリットと言えるでしょう。

調剤薬局事務のメリット・デメリット

調剤薬局事務のメリットは誰でも資格取得を目指せるところでしょう。

医療に関する知識ゼロの状態から勉強を始める方もたくさんいます。

実際に私の勤め先には、専業主婦から調剤薬局事務の資格を取得して勤める方もいます。

また、資格取得にかかる目安は1年程度と比較的短期間で資格取得できるところもメリットです。

なかでも、調剤薬局事務検定試験は毎月実施しています。

あなたのやる気と勉強次第では、さらに短い期間で資格取得できるでしょう。

調剤薬局事務は医療関係の職業柄、長期連休は取りにくいところがデメリットです。

夏季休暇などの福利厚生が充実した調剤薬局もありますが少ないのが実情です。

もし、連休を希望する場合は事前にシフト調整を依頼する必要があるでしょう。

また、健康管理にも細心の注意をはらわなければなりません。

風邪をひいた患者さんは大勢いるので、自分もうつらない様な感染予防の知識も求められますね。

登録販売者のメリット

登録販売者も資格取得の敷居の低さが大きなメリットです。

ただし、試験合格率は40~50%と決して簡単とは言えない難易度です。

試験は年に1度しかありませんから集中して勉強しなければなりませんね。

また、資格手当などを支給している調剤薬局や企業の場合は収入アップが見込めます。

収入面の充実はモチベーションにも繋がりますから資格取得をして損はないでしょう。

デメリットは、要件を満たすまで登録販売者の「研修中」扱いなところです。

研修中は、1人でOTC医薬品の販売ができません。

1人前の登録販売者として認められるには、過去5年以内に2年以上の実務経験が必要です。

また、登録販売者になったあとは毎年の研修受講が義務付けられています。

詳しくは下記のサイトを参考にしてください。

登録販売者に対する研修の実施に係る取扱いに関するQ&Aについて

医薬品を扱う職種ですから情報のアップデートのためにも必要な研修ですね。

薬剤師・調剤薬局事務・登録販売者が向いている人・不向きな人

最後にそれぞれの職種が向いている人・不向きな人について解説します。

人間ですから向き不向きは必ずあります。

資格を取ってから「やっぱり向いていないかも」とならないよう参考にしてください。

薬剤師が向いている人・不向きな人

薬剤師が向いている人は以下のような性格の人が向いています。

  • 勉強しを続けるのが好きな人
  • 几帳面で真面目な人

薬剤師は新しい情報や知識を取り入れなければあっという間に取り残されてしまいます。

また、薬を取り扱う以上「まあ、いいか」なんて無責任な行動は許されません。

勉強を楽しめ、真面目で責任感の強い人は向いているといえるでしょう。

逆に責任感が低く、勉強を楽しめない人は不向きかもしれませんね。

調剤薬局事務が向いている人・不向きな人

調剤薬局事務は以下のような性格の人が向いています。

  • 人と話すのが好きで気配り上手
  • 複数作業を同時にこなせる

調剤薬局事務は患者さんとのやり取りも多く薬剤師との意思疎通がうまくいかなければ現場が回りません。

また、パソコンの入力などを同時にこなせる器用さがある人は特に向いていると言えるでしょう。

反対に、コミュニケーションが苦手だったり、パソコン操作が苦手だったりする人は少し不向きかもしれません。

登録販売者が向いている人・不向きな人

登録販売者が向いている人は以下のような性格の人が向いているでしょう。

  • コミュニケーションが好き
  • 力仕事も苦にならない

OTC販売は相談内容を聞き取り、的確にアドバイスする能力が求められます。

また、ドラッグストアなどでは品出しや発注業務、レジ打ちなど力仕事や事務作業も行います。

人との関わりが苦手な人や体力に自信が無い人は少し難しい職種かもしれません。

まとめ

調剤薬局関係のユーキャンで取得できる資格についての解説は以上になります。

ユーキャンは薬剤師の資格は取得できませんが、調剤薬局事務と登録販売者の資格は取得可能です。

2つの資格で勤め先やできる仕事内容に違いはありますが平均収入に大きな差はありません。

ただし、人によって向き・不向きはありますので事前確認が大切です。

あなたに合った資格取得を目指していきましょう!

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