薬剤師をしていて「疲れた。」とつい突っ伏したくなる時はありますよね。
でも、その疲れたは、突っ伏して嘆いたら復活するような、一過性のものでしょうか。
「薬剤師 疲れた」などと、検索してここへ辿り着かれたあなたは、その疲れが相当溜まっていらっしゃるのではないかとも思います。
そのまま疲れが限界に達すると、悲惨な結果を招く恐れも。
そうなる前にぜひ、息抜きがてら読んでみてください。
薬剤師が疲れる原因
人間が疲れたと感じる原因は、日々に発生するストレスによるものです。
そのストレスは、肉体的なものと、精神的なものに分かれるでしょう。
薬剤師が疲れたと感じる原因も、この肉体的・精神的なストレスを受けることにあると言えます。
薬剤師として働いていて、ストレスを感じる主な原因を挙げていきますね。
人間関係
精神的なストレスに分類されるでしょう。
薬剤師の職場は、狭いコミュニティであることが多いです。
人間関係に悩まされる薬剤師の割合は、非常に高いと感じます。
薬剤師は職業柄人間関係で悩みやすい
実際、薬剤師の転職を考える理由を200人に聞いたところ、人間関係の不満は3位にランキングされています。
- 環境・生活の変化
- 現在の待遇への不満
- 会社の人間関係
- 会社の将来性が不安
- スキルアップできない
薬局薬剤師に聞く!転職活動実態調査レポート(ネグジット総研)
薬剤師に限らず、一般的な転職理由のランキングであれば、「会社の人間関係」は13位となっています。
これからも、やはり「人間関係」というのは、多くの薬剤師が抱えやすいストレスの1つと言えるでしょう。
クセの強い人が1人いるだけでストレス
正直、職場にクセの強い人が1人いるだけで、薬局やドラッグストアの狭い世界は地獄にもなり得ます。
店舗の人数が少ないゆえに、クセの強い人の密度が濃くなって、逃げられないですよね。
まだ、クセの強い人について、周りに共感してくれる人がいれば、救いようがあります。
ただ、そう言った支えもない場合、たった一人のために、毎日強いストレスを抱えることになってしまいますね。
業務上チームワークが多いので、他の人の動きが気になる
それに、調剤業務を行う薬剤師は、個人個人の仕事というよりも、チームでの仕事と捉える方が多いです。
みんなで分担して、その日の処方箋をいかに効率よくさばいていくか、各々が臨機応変に対応していく必要があります。
ですので、「周りを全く見ずにのんびり動く人」や、「少し混んでくるとたちまちイライラしだす人」がいると、こちらのペースも乱されます。
どうしても、ペースが合わない人と毎日仕事をしていると、ストレスが蓄積されていきますね。
業務過多
こちらは肉体的なストレスに属するでしょう。
実際、第三者の立場から聞いても「ひどい。」と絶句するような職場環境で働く薬剤師はたくさんいます。
就業規則や労働基準法のルールのギリギリをつくグレーゾーンの対応や、もしくは完全にレッドカードとなる勤務を行っている人もいます。
明らかに就労時間が多い
友人はあるドラッグストアの店舗で、唯一の正社員として、パート勤務を多く抱えていました。
全ての夜勤を担当していましたが、朝に店を開ける責任者も自分しかいなかったため、文字通り朝から晩まで働きづめていました。
本社もその実情は感じながらも、「今、人を手配しているところだから」と言うだけ。
その結果、大量の下血・吐血を起こし、勤務中に病院送りになりました。
労基などが入れば、一発アウトであろうこんなケースも、なぜかまだ見過ごされているところもあるのです。
これは極端な例ですが、門前病院が夜遅くまでやっていると、勤務形態は不規則になりがちです。
朝番と遅番が入り乱れる中、36協定ギリギリの月30時間も残業が入れば、体はフラフラかと思います。
一人薬剤師で全ての責任を負っている
店舗の規模がそれほど大きくないと、薬剤師1人で回しているところもあるでしょう。
この一人薬剤師というのは、とても負荷の大きい形態だと思います。
緊急の呼び出しにも全て自分で応えないといけませんし、開局しながら隙を見てお昼ご飯、休憩時間がまともに取れていない日もややあるでしょう。
また、「一人の方が気楽で良くない?」みたいなイメージもありますが、調剤、監査、投薬、全てを毎日一人で行うというのは、とてもプレッシャーがかかりますよね。
一人薬剤師は肉体的にも、精神的にもストレスがかかることだと思います。
仕事にやりがいを見いだせない
日々の業務がルーティンになっている
薬剤師の業務は、毎日同じルーティン作業の繰り返しであることが多いです。
また、門前の病院により、処方箋の内容はほぼ固定されてきます。
総合病院などの門前で、新薬の採用にも積極的、いろんな疾患の勉強ができる環境なら、刺激もあるでしょう。
しかし、例えば眼科や整形の門前で、目薬と湿布を調剤するだけの毎日では、モチベーションも下がってしまいますよね。
何年、また何十年とルーティンに追われるだけの仕事が続くと、変化のない日々の繰り返しに「疲れた」と感じてしまうこともあると思います。
薬剤師の仕事自体に魅力を見出せなくなった
しかも、薬剤師は同じ6年制大学を卒業した医療従事者と比較すると、年収が低めです。
職業 | 年収 |
医師 | 1440 万 |
歯科医師 | 787 万 |
獣医師 | 631 万 |
薬剤師 | 565 万 |
看護師(参考) | 492 万 |
薬剤師の平均年収2021最新版!男女•年齢•職業別と多方面から分析‼︎
それにどうしても、医療的権限では医師に敵いませんし、疑義照会などをしていると、薬剤師としての身分の低さを感じてしまう時もありますよね。
収入の低さや、医学的な立ち位置など、そういったことに疑問を感じ始めると、薬剤師として働くこと自体に、疲れを感じてしまうこともあるでしょう。
「疲れた」と感じた時の対処法3種類
私は大きく分けて「発散する」・「休む」・「辞める」の3種類をご提案します。
発散する
疲れの度合いがまだリカバリーできる段階での対応策かと思います。
その原因となっているストレスを発散して、疲れを取り除きましょう。
ストレス発散になるであろう方法について、以下のものはいかがでしょうか。
- 人に話す
- プライベートを充実させる
- 体を動かす
人に話す
身近な家族や友人と会話をしてみましょう。
話したり、愚痴を言ったりしているうちに、自分の頭の中も整理されていきます。
問題の解決案が自然と思い浮かぶこともありますし、相手から受けたアドバイスが解決の糸口になることもあります。
また、社外の人もそうですが、社内の人にも話してみましょう。
特に薬局やドラッグストアは、店舗内のことはなかなか外まで伝わりません。
「これだけ毎日疲れているのに。」
と感じていても、会社としては全然把握されていない、なんてこともザラにあるでしょう。
ですので、人間関係でも、労働環境でも、ストレスに感じていることがあれば、しっかり店舗外の人に話してみましょう。
上に相談することで、「根性がないやつだと思われたり、査定に響くかも」といった不安を感じていらっしゃるかもしれません。
しかし、そのままでは、ストレスがどんどん増えていき、結果的に仕事に支障をきたすほど、心身にダメージが出るかもしれない状態です。
もはや、査定なんてどうでもいいのではないでしょうか。
まずは、人に話して、今のストレスについて溜め込まないようにしてください。
プライベートを充実させる
「仕事は仕事!」と割り切れるよう、プライベートを思いっきり充実させる方法です。
趣味に没頭したり、家族や恋人との時間に集中したりと、休みになったら、仕事のことなんて綺麗さっぱりリセットしましょう。
オフの日に充実したコミュニティとの関わりがあることで、
職場の嫌な人間に対しても「こんな小さいことで怒って可哀想な人だな。」
と、寛容に受け止める余裕ができるかもしれません。
体を動かす
肉体的に疲れが溜まってしまっている人は、まずとにかくゆっくり休んで欲しいです。
ただ、オフの日も、ついつい仕事のことを考えて憂鬱(ゆううつ)になるという人は、体を動かすと頭がスッキリ入れ替わることもあるので、おすすめですよ。
私自身も、昔からぼーっとしていると嫌なことを考えてしまいやすい性格であると感じます。
ですので、むしゃくしゃする日はとりあえず外に出て、体を動かしていました。
後輩の女の子は、「疲れたと感じている日こそ、ヨガに行ったら元気回復する。」と、激務ながらイキイキと働いていたりもします。
元から体を動かすのが好きかどうかにもよるかもしれません。
しかし、家で鬱々(うつうつ)とするのであれば、一度思い切って散歩に出てみてはいかがでしょうか。
休む
原因が肉体的なものはもちろん、精神的なものであっても、ゆっくり休んでください。
休むというのは、「寝る」という意味も含まれていますが、それ以外に「休める状態を作ってください」という意味を込めてお話しします。
あなたが休んでも仕事は回ります
1人薬剤師であったり、大きな薬局の管理薬剤師であったり、「自分がいなきゃ仕事が回らない」と思って、追い込んでいませんか?
大丈夫です。
あなたが休んでも、仕事は誰かが回してくれます。
それより、あなたが体調を壊して、長期にわたって療養が必要な体になった方が困りますよね。
「いっそ、そこまでいったら、本社の人間も思い知るだろう」
と思うこともあるかもしれません。
でも、残念ながらあなたが体をかけてアピールしても、上の人間にはそこまで響かないでしょう。
ですので、無理して我慢し続けても、自分を追い込むだけです。
どうか、思い切って休めるよう、休みを積極的に掛け合ってみてください。
しんどければ、しばらく休みましょう
もう疲れ具合がひどく、ちょっとやそっと休んだくらいでは回復できない場合は、しばらくゆっくり休む手筈(てはず)を整えましょう。
ほとんどの会社には休職という制度があると思います。
休職の期間などは、社内規定によりまちまちですが、国として認められている休業はしっかり期間が決められ、確保されています。
例えば、身体的、もしくは精神的に療養が必要であると、病院でみなされた場合は「傷病手当金」を受け取りながら、最大1年半休業することができます。
私の友人も残念ながら、我慢をしすぎてうつ病になってしまいました。
そこからこの傷病手当金を申請していましたが、医者には「もっと早い段階でSOSを出しても良かったんだよ」と話を受けていました。
自分が思っているよりも、心や体はダメージを受けている可能性があります。
会社を辞めるのにはいろいろと都合が悪い、ただ、このままだと自分の体がどうしようもなくなる、となってしまうのであれば、それより前に休職しましょう。
辞める
もう疲れが限界ならば、いっそのこと辞めてしまいましょう。
大丈夫です。
仕事は誰かしらが引き継いでやってくれますし、まずはあなたが現状からしっかり抜け出すことの方が大切です。
失業手当をもらいながら、しばらく回復期間に充てる
幸い今の日本なら、薬剤師の国家資格があれば、何かしらの就職先は見つかるでしょう。
それに、すぐに転職しなくとも、「失業手当」を受け取ることが可能です。
今までずっと雇用保険を支払ってきたのですから、必要な時はそちらの力を存分に借りましょう。
そして、しばらくゆっくり自分の体と心を回復させてから、また1から、自分の働き方について見直したらいいと思います。
転職する
まだ疲れがピークに達する前に、早々に今のストレス多き職場に見切りをつけて、転職してしまいましょう。
実際、私が前の職場から逃げ出した手段は転職でした。
やはり会社ごと大きく変えてしまうと、「今まで悩んでいたのがなんだったんだ」と思えるくらい、晴れやかになりました。
それに薬剤師業界では転職は全く珍しいことではありません。
例えば同じ調剤薬局間の転職でも、数多くの会社を経験している方が、広い目線で仕事を捉えることができ、重宝されることもあります。
ただ、転職という決断には勇気もいりますよね。
「今より職場環境がさらに酷くなったらどうしよう。」そういった失敗を思うと、足が鈍る気持ちも分かります。
別の記事で、転職時における失敗を、可能な限り減らすためのアドバイスをお伝えしていますので、よければそちらも参考になさってください。
薬剤師の転職で失敗して後悔したくない人へ!必ず押さえたい4つのポイント
それに、あなたは今薬剤師としての国家資格を持っていますが、必ずしも薬剤師として働かないといけないという制約はありません。
薬剤師での経験を生かしながら、まずは副業感覚で他の仕事にもトライするという方法もあるので、こちらの記事も気分転換がてら、よければ読んでみてください。
実際試して分かった!薬剤師の副業の実態!あなたへのオススメは?
まとめ
薬剤師の仕事に対して「疲れた」と感じた時、その原因は肉体的・精神的にくるさまざまなストレスでしょう。
薬剤師は職場の特性上、人間関係や、やりがいに対して精神的なストレスを感じやすいです。
それに、店舗の勤務状態によっては、過度な肉体的ストレスが課されていることもあるでしょう。
そうして蓄積されていった疲れに対して
- 発散する
- 休む
- 辞める
といった対処法をお伝えさせてもらいました。
今「疲れた」と思いながらの状態であるにも関わらず、最後まで読んでくださってありがとうございます。
どうか、その疲れが限界まで溜まる前に、何かしら思い切って行動を起こしていただければと思います。
あなたの「疲れた」という辛い気持ちに対して、この記事が少しでも助けになれば幸いです。
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