
薬剤師国家試験の合格通知を受けとり、一息ついているところでしょうか。
4月から薬剤師として働くことが決まり安心しているかと思いますが、すぐに行うべきなのが「薬剤師免許の申請」です。
申請準備をしていると「登録済証明書を希望する方は、はがきを提出」と出てきます。
希望制だからと言って見逃してはいけません。
「登録済証明書」は4月から働く新卒薬剤師にとって大切な書類となるので、依頼方法まで、この記事で確認していきましょう。
登録済証明書とは

登録済証明書は、薬剤師免許証が手元に届くまでの間、免許証の代わりとして使える証明書です。
薬剤師として働くには、国家試験の合格後に薬剤師免許の申請をし、薬剤師名簿に名前が登録される必要があります。
薬剤師名簿に登録されると、薬剤師免許証がもらえます。
薬剤師免許証には、「薬剤師登録番号」や「薬剤師登録年月日」が記載されており、医療機関で働くときには、それらを職場に伝える必要があります。
しかし、薬剤師免許証は発行までに数ヵ月かかり、新卒薬剤師が免許証を受け取れるのは遅いと夏頃になってしまいます。
免許証の到着を待っていると、4月から就職しているのに、3~4ヶ月ほど薬剤師の仕事ができなくなってしまうのです。
そこで役に立つのが、「登録済証明書」です。
登録済証明書は薬剤師名簿に登録された段階で、すぐに発送してくれるので、申請手続きをしてから1ヶ月程で受け取れます。
登録済証明書には氏名と共に「薬剤師登録番号」と「薬剤師登録年月日」が記載されているので、職場にいち早く自分の情報を伝えられるのです。
国も「登録済証明書」の効力を認めている

登録済証明書について、厚生労働省は以下のように発表しています。
新規登録・免許証の書換交付・再交付申請を行う場合、希望者には登録日に「登録済証明書」を発行しております。
免許証がお手元に届くまでの間の資格の証明となる物ですので、必要な場合は申請時に窓口担当者に申し出願います。
つまり、国は登録済証明書は薬剤師免許証の代わりになると、正式に認めています。
国が認めている証明書は他にありませんので、免許証が届くまでは自分が薬剤師と証明できる唯一の書類となるのです。
保険薬剤師の登録は「登録済証明書」でもできる

働き始める予定の職場が、調剤薬局である場合は、保険薬剤師の登録が必要になります。
「保険薬剤師とは何か?」など、詳細は以下にまとめていますので、ぜひご覧ください。
保険薬剤師の登録は必須?調剤薬局で働く前に知っておくべき事とは
保険薬剤師の登録には、薬剤師免許証のコピーが必要です。
しかし、免許証を申請中で手元にまだ無い場合には、登録済証明書で代用できます。
調剤薬局では、保険薬剤師の登録まで終えられないと、薬剤師としての仕事ができません。
新卒薬剤師が登録までの間、できる仕事が限られ肩身の狭い思いをする、薬剤師手当てがもらえない、ということはよく聞く話です。
登録済証明書の依頼を確実に行い、1日でも早く薬剤師として働けるようにしましょう。
登録済証明書の依頼はどのようにするのか?

登録済証明書の依頼は、保健所に薬剤師免許証の申請に行く時に、一緒に行います。
薬剤師免許証の申請には様々な書類を用意する必要があります。
詳細は以下の記事に載せていますのでご覧ください。
要確認!薬剤師免許の申請書類は注意事項が多い! 診断書はどこで頼む?
登録済証明書の発行は国から強制されているものではありません。
しかし前の項目でもお伝えした通り、新卒薬剤師にとっては大切な書類です。
ぜひ依頼をしましょう。
依頼をするのに必要なものは?
登録済証明書の発行を依頼するには、薬剤師免許の申請時に厚生労働省から返送してもらう用のはがきを提出する必要があります。
そのはがきは、「厚生労働省が配布している登録済証明書」か「自分で購入した官製はがき」どちらかを提出すれば問題ありません。
厚労省が配布している登録済証明書は、卒業前に大学からもらったのではないでしょうか。
もし貰ったものをなくしてしまっても、同じものが保健所で配布されています。
登録済証明書発行申請用のはがきについて
医務免許の申請時に登録済証明書の発行を希望される方へ、申請用のはがきを保健所で配布しております。
ただし、配布枚数には限りがあり、無くなる場合もあります。
発行申請は、官製はがきでも行えますので、登録済証明書の発行を希望される方は、事前に官製はがきをお買い求めいただきますようお願いいたします。
上記のように、保健所で配布はされていますが、国家試験合格発表後など申請手続きが集中するタイミングはなくなっている可能性があります。
提出できる登録済証明書が今、手元にない場合は、官製はがきを事前に購入し確実に依頼できるようにしましょう。
「厚生労働省が配布している登録済証明書」を提出する場合
大学から貰った「登録済証明書」には以下のように記載をしましょう。
![]()
引用元:登録済証明書の書き方:沖縄県
上の画像は医師の登録済証明書となっています。
裏面の「医籍」と記載されているところが「薬剤師名簿」となっていることを確認の上で、書きましょう。
表面には確実に受け取れる住所、名前を、裏面には「氏名」の欄に名前を記載し提出します。
そして忘れてはいけないのが、63円切手を貼ることです。
郵便にかかる費用は、あくまでも自己負担です。
免許証の申請をする保健所では、切手を買うことができませんので、事前に郵便局での購入を忘れないようにしてください。
薬剤師免許証の申請には郵便局でしか購入できない収入印紙が必要になるかと思いますので、そのタイミングで切手も一緒に購入しましょう。
ちなみに、裏面の「氏名」に書く名前は、必ず戸籍通りの漢字でなくてはなりません。
薬剤師名簿に登録される名前は、戸籍に記載されている名前になります。
ここで違う漢字を書いてしまうと、名簿の登録事項と異なる内容の登録済証明書が届いてしまいます。
名前に難しい漢字を使われている場合は特に注意をしましょう。
「自分で購入した官製はがき」を提出する場合
大学からもらった「登録済証明書」をなくしてしまった場合は、63円の官製はがきを用意しましょう。
官製はがきは保健所では購入できませんので、事前に別の場所で買っていく必要があります。
薬剤師免許証の申請に必要な収入印紙を郵便局で購入すると思いますので、その時に一緒に買ってしまいましょう。
官製はがきには以下のように記載し、提出をします。

表面に確実に受け取れる住所と名前を書き、裏面は何も書かず提出をしてください。
提出はがきには、どこの住所を書けばいい?

登録済証明書は大切な書類ですので、確実に受けとりたいですよね。
しかし免許証の申請をするタイミングでは、配属先も決まっておらず、住所がどこになるか分からないのではないでしょうか。
その不安を回避するために、以下の方法を検討してみてください。
配達先の住所を実家にする

ご自身は引っ越す可能性があっても、実家の場所は変わらないのではないでしょうか。
実家に届いた後、自分で実家まで取りに行く、転送してもらう必要があり手間はかかります。
しかし、確実に受け取れる方法ですので検討してみてください。
郵便局の「転送サービス」を利用する

はがきに今の住所を書いておき、引っ越したら郵便局の転送サービスを利用する方法があります。
このサービスは、引っ越し後に前の住所宛に来た郵便物を、新たな住所に転送してくれるものです。
申し込みはインターネットでもできますので、忙しくても時間をかけず手続きが行えます。
しかし、手続き後は反映されるまで1週間程かかりますので、引っ越し先が決まったら忘れないうちに行いましょう。
転送開始日は指定できますので、引っ越し前に行き違ってしまうこともありません。
以下にリンクをつけておきますので、ぜひご利用ください。
厚生労働省に送り返されてしまっても対処法がある!

万が一、住所間違いなどで厚生労働省に送り返されてしまっても、再送を依頼することができます。
上記のように決められている書類を同封し、指定の送付先に送れば対応してくださいます。
やり取りをすることで時間がとられますので、事前に防ぐのが一番ですが、必要となりましたら参考にしてください。
登録済証明書はいつ届く?

登録済証明書は、薬剤師名簿に名前が登録されてから発送されます。
薬剤師免許証より早く届くと言えど、ある程度時間はかかってしまいます。
厚生労働省からは以下のような案内がされています。
各手続きの登録が完了するまで、窓口に申請されてから2ヶ月程度のお時間を要しております。
免許証の発行が伴う場合は、免許証がお手元に届くまで更に1~2ヶ月程度お時間がかかりますので、予めご了承願います。
なお、新規登録・免許証の書換交付・再交付申請を行う場合、希望者には登録日に「登録済証明書」を発行しております。
免許証がお手元に届くまでの間の資格の証明となる物ですので、必要な場合は申請時に窓口担当者に申し出願います。
薬剤師免許の申請手続きは、国家試験合格書が来てから行いますので、早くても3月末に行うでしょう。
そこから2ヶ月程かかりますので、薬剤師名簿の登録が完了するのは5月頃になります。
新卒薬剤師を見ていると、ちょうど5月のゴールデンウィーク前後に登録済証明書を受け取っている人が多いです。
免許申請の手続き後は、いつ届くのか、そわそわするかと思いますが、気長に待ちましょう。
ちなみに、自分が薬剤師名簿に登録されたかは、厚生労働省が管理している「薬剤師資格検索システム」でも確認できます。
登録済証明書が、なかなか送られてこないと思ったら、検索してみるのも手です。
以下の記事に詳細を載せていますので、ぜひ参考にしてください。
薬剤師検索システムで分かる?薬剤師名簿に登録されたか確認する方法
届けてもらうのを速達にすることもできる

登録済証明書は希望をすれば速達で送ってもらえます。
普通郵便と速達では受けとれる日は1~2日程度しか変わりません。
しかし、普通郵便は土日や祝日は配達されないのに対し、速達は休日も配達してくれます。
もし、証明書の配達がゴールデンウィークに被ってしまった場合は、速達の方がいち早く受け取れるでしょう。
1日でも早く受け取りたければ、速達で依頼しておくのも、ひとつの手です。
速達にしたいときの方法
速達を希望する場合は、提出するはがきを以下のようにしましょう。

260円分の切手を追加で貼り、はがきの上部に赤で太線、赤字で速達と書きましょう。
ちなみに、サイトによっては別の料金を案内しているものもありますが、速達料金は2021年の10月から260円に値下げされています。
今後、料金変更の可能性もありますので、郵便局のホームページで確認の上、提出しましょう。
何度もお伝えしていますが、切手は保健所では売っていませんので、くれぐれも郵便局での購入を忘れないようにしましょう。
まとめ

以上、登録済証明書についてお伝えしてきました。
- 登録済証明書は薬剤師免許証の代わりになるので、依頼するのがオススメ
- 依頼するには、大学からもらった登録済証明書か、官製はがきの提出が必要
- 切手や官製はがきは郵便局で購入できないので注意
登録済証明書は、1日でも早く薬剤師として働くのに必要不可欠な書類です。
ぜひ、依頼をしていただき、新卒薬剤師として良いスタートダッシュをきりましょう!
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