
薬剤師デビューし、一通りの研修を終えると待っているのが服薬指導。
初めて患者さんの前に出て話をするのは、とても緊張しますよね。
調剤や監査といった業務は難なく出来ても、いざ服薬指導で患者さんとコミュニケーションをとる場面になると不安を感じませんか?
ですが今回紹介する3つのポイントをおさえておけば、ある程度のレベルには誰でも達することが出来ます。
まずは基礎から確認して、スムーズに服薬指導を行えるようになりましょう。
服薬指導とは?
服薬指導とは薬剤師の代表的な業務の一つで、簡単に言うと患者さんに処方された薬の説明をすることです。
薬の効果や使い方だけではなく、場合によっては保管方法やその薬を服用する意義も説明する必要があります。
これらの情報提供は薬剤師の義務であることが「薬剤師法」にも記載されています。
そのため処方された薬を患者さんに渡す際に、服薬指導を省略することは出来ません。
服薬指導を行う際に気を付けるべき3つのポイント

服薬指導では他の業務と異なり、直接患者さんとコミュニケーションをとることになります。
そのためただ効率良くこなすことを目指すのではなく、臨機応変な対応をしなければなりません。
指導の際に気を付けるべき点はたくさんありますが、その中でも特に重要なポイントを3点紹介します。
結論からいうと、以下の3つです。
- 患者さんから必要な情報を聴取する
- 患者さんに合わせた指導をする
- 指導前の準備は入念に!
一つずつ解説していきます。
①患者さんから必要な情報を聴取する
指導というと薬剤師から患者さんへの一方的なスピーキングの様に思われますが、それだけではなく患者さんからの情報を聴取することも重要です。
例えば患者さんから症状が一向に改善しないという訴えがあったとします。
このとき「処方薬が適切ではない」「用量が不十分」と考えがちですが、
事情を聞いてみると単純に飲み忘れが多く効果が十分に出ていなかったという場合もあります。
症状の経過や副作用の有無を確認するのは当然ですが、
それ以外にも
- 飲み忘れがないか?
- 服用する時に困ったことはないか?
といったことも確認しなければなりません。
また患者さん本人が高齢で理解力に乏しい場合は、家族の方にも指導、情報収集を行う必要があります。
この場合はただ闇雲に対応するのではなく、
- 患者さんと長く一緒に過ごしているのは誰か?
- 普段は誰が薬を管理しているのか?
といったことを把握しておかなければなりません。
②患者さんに合わせた指導をする
服薬指導はワンパターンで行うのではなく、相手に合わせて対応を変えることも重要です。
いくつかの例を紹介します。
患者さんが子供の場合
例えば患者さんが小さな子供の場合は、基本的に母親が受け答えをします。
このときよく出る質問が
- この薬は苦いですか?
- 同じ薬で粉薬はありますか?
といったことです。
このような質問をされた場合は次のような返答をすると良いと思います。
- この薬は苦みがありますが、アイスやゼリーと一緒に飲むと苦みを感じにくくなり、飲みやすくなります。
- こちらの薬は錠剤以外にも粉薬やシロップ剤があります。処方医に確認すればそちらへの変更も可能です。お伺いしてみましょうか?
これらはあくまで例です。
重要なのは、患者さんが何を望んでいるのかです。
今回のケースだと、母親は
「子供が薬を飲んでくれないと困る。なるべく手間をかけずに飲ませたい。」
と考えているはずです。
このときに先程の様な解決策や選択肢を与えてあげると、患者さんも安心します。
ぜひ意識してみてください。
患者さんが高齢者の場合
高齢者の場合、よく言われるのは次の様なことです。
- 「薬が取り出しづらい。」
- 「薬が多くて飲み忘れてしまう。」
こんな時は一包化を提案してみましょう。
一包化とは錠剤をPTPシートから取り出し、飲むタイミングごとに分けて袋に包む操作です。
これにより上記の問題を解決出来ます。
また飲み忘れが多い人には、曜日や時間帯ごとに薬を入れる服薬管理ケースを提案してみるのも良いと思います。
こういった提案を上手に行えるように、普段から言い回しなどを考えておくと良いです。
患者さんが急いでいる場合
また指導にかける時間も調節する必要があります。
同じ薬局に来る患者さんでも早く帰りたい人もいれば、しっかりと説明を聞きたい人もいます。
早くして欲しい人には、伝えることを一つに絞りましょう。
例えば血圧の数値や直近の検査結果などは、次回でも確認出来ます。
こういった事は次回に回し、今回は
- 体調だけ確認する
- 飲み忘れが無いかだけ確認する
- 新しく追加された薬の使い方だけ簡潔に説明する
といった指導の仕方が良いと思います。
患者さんの雰囲気や店舗の混み具合などを確認しつつ、臨機応変に対応出来るように少しずつレベルアップしていきましょう。
③指導前の準備は入念に!
服薬指導の前には必ず「薬歴」を確認します。
薬歴とは簡単に言うと患者さんの経過やこれまでに行った指導内容を記録したものです。
これを使って
- 現在治療中の疾患があるか
- 他の薬との飲み合わせは問題ないか
などを確認します。
ここで意外と見落としてしまうのが、「過去に同じ指導を行っていた」ということです。
例えば吸入薬の説明をしようとしたら、「知っているから大丈夫」と返答されてしまうこともあります。
薬歴をもう一度よく見てみると、過去に同じ薬が処方されていたというケースです。
また自分の薬局で出すのは初めてでも、今まで他の薬局で貰っていたというパターンもあります。
同じことを何度も訊いたり説明したりすると、人によっては不快な気持ちになることもあります。
こういった事を避けるためにも、
- 過去の服薬指導で何を説明したか?
- 新しく追加された薬は使用経験があるか?
- 他の薬局ではどんな薬を貰っているか?
などは薬歴をしっかりチェックして見落とさないようにしましょう。
まとめ
服薬指導を行う際には、次のことを意識しましょう。
- 患者さんから必要な情報を聴取する
- 患者さんに合わせた指導をする
- 指導前の準備は入念に!
この他にも大事なポイントは数多くありますが、今回は最も重要だと思う3点に絞って解説させて頂きました。
上記の3つを意識すれば、患者さんへの指導がスムーズに出来ますよ!
初めてでいきなり完璧にこなすのは大変なので、焦らずにゆっくり身につけていきましょうね。
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