
薬剤師は”先生”か?
一度は考えたことがあるのではないでしょうか?
患者さんや医療事務の方々のなかには薬剤師を”先生”と呼んでくださる方々がいらっしゃいます。
“先生”と呼ばれると、
「私も”先生”の仲間なのかぁ」
「薬剤師って社会的に認められているんだなぁ」
なんて考えてしまうものの、
「薬剤師って”先生”と呼ばれるような立場なのか?」
とも考えてしまいますよね。
私も薬剤師が”先生”であるかについては疑問を持っている側ですが、目上の薬剤師の方々のことはなんとなく”先生”と呼んでしまいます。
あなたはどうですか?
この記事では、「薬剤師は”先生”か?」について、考察していきます。
「先生呼び」についての思い出話
“先生”はDoctorの訳語?-怒りの准教授-

「何様なんだ君は!?友達じゃないんだぞ!?」
確かこんな内容の怒号だったと記憶しています。
学生の頃、研究室の准教授がある学生に向けて放ったものです。
その学生が大学教員のことを”さん”付けで呼んだことが原因でした (うちの准教授ではない、別の研究室の先生のことをそう呼んだとのことでした)。
お説教が終わって、准教授の先生がクールダウンした後、少しお話しました。
その時に先生は、
「なんで”先生”ってつけないといけないと思う?」
と、私に問いかけました。
“先生”って何だろう?と初めて考えました。
目上の人を呼ぶときに使う言葉ですが、いつでも使う言葉ではありませんよね。
“さん”とか”さま”とどう違うのでしょうか?
准教授の先生は続けました。
「”Doctor (Dr.)”をつけて呼べってことだよ」
なるほど。博士号 (Doctor) を持っている研究者や医師 (Medical “doctor”) は”先生”ということです。
学会ではただの大学生も先生に!?

学会の場では基本的に全員がお互いに先生呼びです。
例え、大学生や大学院生であっても例外ではありません。
私の薬剤師の友人が、初めて”先生”と呼ばれたのは薬剤師になってからではなく、学生時代に参加した学会のときです。
「すごい恐縮した」
と話していました。
しかし、准教授の話と照らし合わせるとおかしな話です。
大学生は博士号 (Doctor) はおろか学士号 (Bachler) さえ持っていないのです。
“先生”と呼ばれる職業・立場

先生と呼ばれる職業にはどんなものがあるでしょうか?
学校の教師や塾講師、大学教授などの教鞭を振る人たち。
医師や歯科医師、獣医師などの医業を為す人たち。
弁護士、税理士、社労士、行政書士などの士業を担う人たち。
画家、小説家、漫画家などの創造性が必要な仕事をする人たち。
Googleで[先生 意味]と検索すると、以下のことが表示されます。
教師・医者など、学識のある、指導的立場にある人。また、そういう人、自分が師事する人に対する敬称。
どんな人達が薬剤師を”先生”と呼ぶ?
患者さんや医療事務の方々以外だと、薬や医療機器の営業の人なんかも先生と呼んでくださいます。
また、薬学部の実習生は現場の薬剤師を”先生”と呼びます。
一方、医学部の実習生は”薬剤師さん”と呼ぶことが多いようです。
薬剤師以外の医療従事者の方々も”薬剤師さん”呼びです。
そして、薬剤師は目上の薬剤師を呼ぶときには”先生”を付けることが多いですよね。
以上を踏まえて考察
Doctor (Dr.) の訳語としての”先生”、アメリカと比較
日本の薬剤師は博士でなければ医師でもありません。
ということは”先生”ではないということになります。
英語圏でも薬剤師を”先生 (doctor)”と呼ぶべきかの議論はあるようです。
しかし、内容は日本とは異なるようです。
アメリカでは薬剤師になるために必要な学位としてDoctor of Pharmacy (Pharm.D.) があります。
アメリカの薬剤師はDoctorなのです。
アメリカでは、実際に医師と薬剤師はお互いに”先生 (Dr.)”と呼びあいます。
一方、患者は日本と同様に”先生”と呼ぶ人・呼ばない人がいるようです。
このことを考えると、日本での医師と薬剤師のお互いの呼び方は理にかなっています。
ここに合わせていくのが妥当かなと考えます。
日本語の”先生”という単語
繰り返しますが、薬剤師はくすりについて豊富な知識をもち、患者や他職種の医療人にくすりのことを教える立場です。
日本語の”先生”の意味に照らし合わせれば、薬剤師は確かに”先生”ということになります。
ここで、上で引き合いに出したアメリカの薬剤師と日本の薬剤師を比較します。
アメリカでは、薬剤師の立場が強く、本当に医師と対等に議論します。
診察や処方の権限もある程度持っており、それにふさわしい知識を持っています。
日本の薬剤師は、医師と対等とは言い難い現状であり、診察と処方の権限は認められていません。
診察に必須の症候学は習いません、薬物治療学の中で軽く触れる程度です。
このことから、日本の薬剤師は”先生”いう言葉に対して、知識や指導的な姿勢が足りないのではないかと思うのです。
ただし、薬学部の実習生にとっての指導薬剤師はたしかに”先生”です。
実際の現場での薬剤師の”先生”呼び
ここまでのことから、私は日本の薬剤師は”先生”ではないと考察しています。
では、実習生以外で薬剤師を”先生”と呼ぶのはどんな方々でしょうか?
患者や医療事務、営業の方々、薬剤師です。
なぜ”先生”と呼ぶのでしょうか?
おそらく、無礼を働かないようにという気づかいからくるものが大きいのではないでしょうか?
尊敬語ではなく丁寧語として”先生”と呼んでいるのだと思います。
目下の薬剤師を”先生”と呼ぶことが少ないのが証拠になるのではないでしょうか。
“Doctor”への敬意とは別の根拠だと思います。
アメリカの患者は薬剤師を”Dr. (先生)”と呼ぶべきだと思います。
まとめ
以上のことから、私は日本の薬剤師が”先生”と呼ばれることは適切ではないと思います。
しかし、そう思っても”先生”と呼ばれる慣習が変わるわけではないですし、患者さんには頼りにされるからこそ先生と呼ばれることもあったりするわけなので、先生呼びに違和感を感じないくらい自分を高めていきたいと思いました。
あなたはどう思いますか?
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