
薬剤師にも色々な人がいますが、世間一般では真面目な印象を持たれている人が多いのではないでしょうか?
やはり薬を扱う職業だけあって、世間の印象と同様にコツコツ勉強する真面目な人が多いです。
薬剤師という職業に興味があったり、憧れていても
「自分の性格は向いていないんじゃないか」
「薬剤師になっても続けていけるのだろうか」
と、悩んでいませんか?
薬剤師として実際に働いている私が感じた、薬剤師に向いている人の性格や特徴をお話しします!
この記事を読めば、そんな悩みも無くなるかもしれません。
薬剤師に向いている性格

実際に働いていると、本当に色々な性格の薬剤師がいます。
真面目な人はもちろん、陽気な人、プライドが高い人、嫌味な人、何を考えているのかわからない人などなど。
「薬剤師は変人が多い」なんて話も聞きますが、お医者さんはもっと変な人が多い?
なんて冗談はさておき、よくよく薬剤師の性格を見てみると、ある種の共通点があると思います。
この共通点とあなたの性格を比べて何か通じるものがあれば、将来薬剤師を目指すきっかけになるかもしれません。
コツコツ勉強ができる人
薬の情報や法律は日々更新されるので、薬剤師は生涯にわたって勉強を続けることが宿命付けられています。
日本の医療用医薬品は約2万種類ほどあると言われていて、全部とは言いませんが、
だいたいの薬の名前や成分名は覚えていなければなりません。
さらに、副作用や相互作用、体内での薬の作用も覚える必要があります。
これを聞いて「もう、無理かも」と思われてしまうかもしれません。
社会に出てからも勉強を続けなければいけないのは、薬剤師に限ったことではありませんが、
普通は誰でも勉強は嫌いですよね。
しかし、薬剤師は人の命に関わる職業なので、万が一の事がないように「勉強をする」のは当然のことなのです。
薬剤師として義務を果たすために
患者さんの要望に応えるために
日頃からコツコツ勉強する事ができる人は、薬剤師に向いています。
協調性がある人
薬剤師は、人と関わる職業です。
女性が多い職場であることが影響しているかもしれませんが、ここだけの話、薬剤師はお話し好きな人が多い印象です。
薬剤師には、コミュニケーションを取る上で
- 「伝える力」
- 「聞く力」
- 「共感する力」
が必要となります。
医師の指示通りに薬を飲んでもらうため、薬剤師は薬の効果や服用方法をわかりやすく患者さんに伝える必要があります。
患者さんには、優しい人や気難しい人、全然話をしてくれない人など色々な人がいますが、
すべての患者さんに正しく薬を服用してもらわなければなりません。
そのため、薬の効果や服用方法をわかりやすく説明できる、「伝える力」が必要です。
また、患者さんとの会話の中から
「副作用が起きていないか」
「飲みづらくないか」
など問題点を引き出す「聞く力」も必要です。
そして「共感する力」は、患者さんに「親身になってくれている」という安心感を与え、信頼関係を築くために必要です。
薬剤師は、医師や看護師、ケアマネージャーなどと連携して業務を行うことも多く、
仕事をする上で、人と話をしてコミュニケーションを取ることは、切っても切り離せません。
このことから、薬剤師には協調性が求められます。
責任感が強い人
ただ薬を患者さんに渡すだけでは、薬剤師の義務を果たしたとは言えません。
薬の副作用で命を落とすなんて事もあるので、常に危険と隣り合わせな職業でもあります。
薬剤師には、調剤した薬が適正に使用されるよう、患者さんへの説明や指導を行う法的責任と、
医療費削減や地域医療の発展に努める社会的責任があります。
薬を通して法的責任と社会的責任を果たし、患者さんの健康に責任を持つということは、薬剤師の使命です。
自分の行動に自信を持ち、患者さんの期待に応える責任を持てない人には務まりません。
途中で投げ出さない、最後までやり抜く力が求められます。
薬剤師に向いていない性格

私が今まで仕事をしていて、実際に薬剤師に向いていない人もいました。
頑張って薬剤師になったのに、もったいないなぁと感じましたが
- 薬剤師の知識をつけるために勉強しない人
- コミュニケーションが取れない人
- 責任感がない人
このような人は、患者さんだけでなく、一緒に働く仲間や医師、看護師などにも迷惑がかかってしまいます。
薬剤師は、人の命に関わる責任が大きな職業です。
それを果たすための知識や技能は自ら身につけなくてはなりません。
また、薬剤師として働く上で、コミュニケーション能力は必須なので、人と話をするのが嫌いだとか、苦手な人は、
残念ながら薬剤師には向いていないと思います。
さらに、患者さんの健康を左右する職業であるため、細かいミスを気にしない人や、
患者さんへの思いやりに欠ける人も薬剤師には向いていません。
大切なのは薬剤師として役に立ちたいと思う気持ち

「なんだかすごく大変そう」と思われてしまったかもしれませんが、
大切なのは薬剤師として病気で困っている人の役に立ちたい、社会に貢献したいと思う気持ちが大切です。
勉強やコミュニケーションが多少苦手だと思ったとしても、仕事を続けていけば慣れる事もあります。
もともと理系の人は、勉強することは好きだけど人と接することが苦手だったり、話し下手な人が多いのですが、
患者さんと接するうちに「人と話をすることは、意外と楽しいかも」と新たな自分を発見することができることもあります。
薬剤師に興味を持ったり、憧れた気持ちを大切にし、将来も薬剤師として頑張りたいと思う気持ちが何より大切だと思います。
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性格で選ぶ!あなたが活躍できる薬剤師の業種

薬剤師には、働く場が色々あります。
- 病院薬剤師
- 薬局薬剤師
- ドラッグストア
- 製薬企業
「薬を通じて患者さんの健康に寄与する」という共通点がありますが、働き方は様々です。
あなたの性格に合った働き方を、じっくり探してみてください。
向上心がある人
勉強が好きで、より専門性を身につけたいという人は、病院薬剤師に向いています。
病院薬剤師と言えば、最近話題になったテレビドラマ「アンサングシンデレラ」のイメージですよね。
今まで「薬剤師って何をしているの?」って思われていた部分も多くありましたが、
医師や看護師とは違う「薬剤師と患者さんが関わる姿」が良く分かるドラマでした。
病院では色々な業務がありますが、主に
- 調剤業務
- 製剤業務
- 外来業務
- 病棟業務
- 医薬品管理
- 医薬品情報管理
などがあり、
様々な医療従事者が協力してチーム医療を行います。
コミュニケーション能力はもちろん、薬の専門家としての深い知識と専門性が求められます。
臨床では、薬の効果をすぐに確認する事ができますし、
調剤薬局ではあまり扱わない点滴や注射薬、さらには抗がん剤などの豊富な知識が身に付きます。
病院薬剤師でなければ取得できない認定制度も多く、薬についてより深く学びたいと思う人にはぴったりだと思います。
病院では医師や看護師から薬について質問される事も多く、縁の下の力持ち的存在として、薬剤師は活躍しています。
色々な経験をしてみたい
たくさんのことを学びたい
という向上心のある人は、病院薬剤師に向いていると思います。
細かい仕事ができる人
調剤薬局の業務は
- 調剤
- 服薬指導
- 在宅訪問
- 薬歴管理
を行います。
他の業種に比べて、小規模、少人数で仕事をするのが特徴です。
そのため、調剤から服薬指導、薬歴記録や薬局内の管理など、様々な業務を行う必要があり、
一つ一つ正しく行わなければなりません。
最近は、在宅医療に取り組む薬局も増えており、多職種が連携して業務を行うため、
各職種への報告書の提出も必要です。
他にもレセプト請求や医薬品の管理、保健所や厚生局との対応など、調剤薬局では少人数で協力して業務を行います。
このように、一つ一つの仕事を丁寧に、細かく管理ができる人は、調剤薬局に向いています。
コミュニケーションを取るのが得意な人
ドラッグストアの主な業務は
- 接客
- 商品陳列・商品整理
- レジ打ち
などです。
ドラッグストアへ薬を求めにくるお客さんは、自分にどの薬が合うのか把握していないことが多いです。
そのため、薬剤師はお客さんから症状や体の不調をしっかり聞いてニーズを引き出す「聞く力」と、
そのニーズをもとに自分で薬を選び、提示する「課題解決力」が必要です。
薬だけでなく健康食品やサプリメントも扱うため、幅広い知識が求められる職場でもあります。
季節に合わせて、お客さんのニーズに応えるために商品を陳列したり、その商品が売れるととてもやりがいが出ます。
お客さんに、気持ちよく買い物をしてもらうためにも、
コミュニケーションが得意な人は、ドラッグストアに向いていルト思います。
目標の達成に向けて全力で取り組むことができる人
製薬企業には
- 研究職
- CRA(臨床開発モニター)
- CRC(治験コーディネーター)
- MR(医薬品情報担当)
などの職種があります。
研究職
研究職へは、薬剤師でなくても就けるため、国内外から優秀な理系トップの学生が集まります。
高い専門性が必要とされるので、博士課程以上を要件とする企業もあり、非常に狭き門となります。
しかし「自分が関わった薬が、世界中の人の役に立つ」可能性があり、そのような夢を持っている人には魅力的な職種です。
コツコツ研究を続け、深い専門性を身につけたいと思う人に向いています。
CRA、CRC
CRA(臨床開発モニター)やCRC(治験コーディネーター)は、薬を研究開発する過程で行う臨床試験に関わる職種です。
治験実施計画に基づいて、試験が的確に行われるよう、医療機関に勉強会をしたり、
治験に関わる医師とコミュニケーションを取りながら業務を進めていきます。
治験で使用される薬の知識や、作用機序などの薬物動態に精通する必要があり、
海外の文献などからも情報収集を行わなければなりません。
治験に関わるたくさんの業種の人と接したり、調整を行うため、精神的にも体力的にもタフであることが求められます。
患者さんや医師と話をする事が多いため、コミュニケーション能力がある人や、
治験のスケジュール通りに仕事を進めていくため、予定通りに物事を進めるのが得意な人が向いています。
MR
MRは、医師との信頼関係を築くためのコミュニケーション能力が必要とされます。
医師と対等に話せるだけの知識を身につける必要があり、会社のノルマも課せられます。
そのため、目標の達成に向けて全力で取り組む事ができる人が向いていると思います。
薬剤師が働く業種の中では、製薬企業は比較的年収が高く、福利厚生やスキルアップが望めるため、
仕事内容は大変な面がありますが、とても人気の高い業種です。
自分に合わないと思ったら、転職がオススメ

自分に合うかもしれないと思って就職したけど、自分には合わないかもなんて思うことは誰でも経験すると思います。
また、スキルアップや新たな経験をするために転職する薬剤師も非常に多いです。
もし転職することになったとしても、就職先が多いというのは、資格職の強みですね。
例え自分が思っていた世界と違っていて、新しく違う業種へ転職するとしても、それは決して遠回りではありません。
「百聞は一見にしかず」
経験したことや学んだことは、必ず次に働く場所でも活きてきます。
誰にでも、自分の力が一番発揮できる場所が必ずあるはずです。
まとめ

薬剤師は、真面目な人が世間の印象と同様に多い傾向があります。
薬剤師に向いている性格として
- コツコツ勉強ができる
- 協調性がある
- 責任感がある
人が向いています。
逆に
- 薬剤師の知識をつけるために勉強しない人
- コミュニケーションが取れない人
- 責任感がない人
は、薬剤師には向いていません。
しかし何よりも大切なのは、薬剤師として役に立ちたいと思う気持ちです。
また、薬剤師は
- 病院薬剤師
- 薬局薬剤師
- ドラッグストア
- 製薬企業
など様々な業種で働くことができます。
例え希望する業種に就いたとしても、自分に合わないと感じたり、
キャリアアップや新たな経験のために転職する薬剤師は非常に多いです。
薬剤師という職業は、あなたの性格に合っていましたか?
薬剤師という職業に魅力を感じてもらえたでしょうか?
責任が重く、大変なことも多いのですが、とてもやりがいのある職業ですよ!