あなたは今ご自分の年収、いくら位を目標にされていますか?
薬剤師として働くにあたって、現実的に目指せる目標値は一体いくらなのでしょうね。
800万円がその一つのではないか、という意見があります。
薬剤師としての年収800万円は、普通に過ごしているだけでは難しいけれど、目標を立てていけば達成できる額です。
では、どうすれば800万円にたどり着くのか?
今回はその方法について、いくつかご紹介させていただきます。
「今の年収が800万円になったらいいな」と少しでも思われるのであれば、試しに読んでみて損はないと思いますよ。
年収800万円とは

こちらのグラフが示す通り、年収800万円台は国民全体の2.9%に当たります。
それ以上も含めて、年収800万円以上という括りで見ると、国民全体で9.7%しかいません。
年収が800万円あれば、高額所得者上位10%にあたるということです。
また、マイホーム所持率は年収800万円を超えると86.2%に上がると言われています。
マイホーム購入予算は年収の約5倍と言われていますので、4000万円近くの家を持っている人が86.2%いる、ということになります。
4000万円なら豪邸とまでは言わずとも、良質な持ち家が望めます。
年収800万円というのは、ある程度の生活水準で設定しても暮らしていける目安かもしれません。
薬剤師の平均年収
令和2年度の最新統計によると、薬剤師の平均年収は565万円です。
全体の平均から見ると、年収800万円まで200万円超もアップしなくてはいけません。
ただ、男女・年齢により年収には大きな差があるので、以下の表をご参考ください。
男性 | 女性 | |||
月収 | 年収 | 月収 | 年収 | |
20〜24歳 | 27.0万 | 331万 | 29.2万 | 355万 |
25〜29歳 | 32.4万 | 456万 | 29.3万 | 419万 |
30〜34歳 | 34.5万 | 517万 | 31.9万 | 475万 |
35〜39歳 | 40.7万 | 611万 | 34.6万 | 508万 |
40〜44歳 | 42.9万 | 628万 | 36.5万 | 533万 |
45〜49歳 | 46.9万 | 703万 | 38.6万 | 580万 |
50〜54歳 | 47.6万 | 696万 | 41.1万 | 591万 |
55〜59歳 | 45.8万 | 679万 | 41.7万 | 598万 |
60〜64歳 | 45.2万 | 630万 | 35.3万 | 506万 |
65〜69歳 | 70.6万 | 901万 | 38.7万 | 500万 |
70歳〜 | 26.2万 | 362万 | 36.4万 | 473万 |
ちなみに65〜69歳で、一気に年収がアップしているのは退職金の関係です。
それを除くと、男性であれば、40後半〜50前半はあと100万円ほどで年収800万円まで到達します。
100万円アップであれば、狙える気がしてきますね。
ただ、仮に30代前半であれば300万円近い増額を目指さないといけません。
そうなると正攻法では難しい気もします。
それでは、実際薬剤師が800万円を目指すためにはどうしたら良いのでしょうか?
現職のまま年収をアップする方法

1、残業・休日出勤を増やす
一番手取り早い方法が残業・休日出勤の増加ではないでしょうか。
残業や休日出勤であれば、時間給で換算して1.25倍の給料がもらえます。
ただ、こちらには条件が付き、単純に働けば働くほどお金が入るという話でもありません。
36協定という言葉を聞いたことはないでしょうか。
残業や休日勤務は「月45時間・年360時間」とされ、臨時的な特別の事情がない限り、これを超えることはできません。
ただ、そうは言っても今までなあなあになっていた現場や会社があったのも事実です。
ただ、昨今の働き方改革に伴い、2019年より36協定を違反した企業には罰則が与えられることになりました。
36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針(厚労省)
この指針により、36協定を超えて働くということは、かなり難しい時代になりました。
ですので、残業や休日出勤をしたとしても年間360時間以上はできません。
仮にMAXの360時間残業した時、いくら年収がUPするのか計算してみました。(年間休日120日・1日8時間勤務で計算)
30〜34歳男性の場合(上記表より月収34.5万円、年収517万円)
34.5÷20.5÷8≒2100円・・・月収→時給
2100×1.25=2625円・・・残業時の時給
2625×360=94.5万円・・・360時間残業した時の総額
517万円+94.5万円=611.5万円・・・年収+残業総額
これを見ると、年収500万円くらいであれば、規定MAXまで残業したとしても100万円ほどしか年収が上がらないのが分かりますね。
ちなみに45〜49歳男性の場合では(月収46.9万円、年収703万円)
残業総額:128万円
アップ後の年収:703万円+128万円=831万円
となり、36協定内の残業だけでも年収800万円を超えることは可能です。
2、役職手当をつける
役職手当がつくと、月給が大きくアップする可能性があります。
会社によってもその額は異なりますが、例えば調剤薬局最大手のアイン薬局では以下の手当が月額にプラスされます。
- ブロック長手当65,000円
- 薬局長手当55,000円
- 副薬局長・薬局長代理手当30,000円
- 管理薬剤師・手当10,000円
出典元:アイン薬局募集要項
金額は異なりますが、どこの会社でもご覧のような手当が用意されていることが多いです。
ブロック長レベルとなると、一つの会社でも人数が限られて、なかなかその座を掴むのは難しいかもしれません。
ただ、管理薬剤師などであれば比較的容易になれるでしょう。
管理薬剤師手当は会社により1万円〜10万円と大きく幅があり、入社後3年もすれば、管理薬剤師になるという会社も多いと思います。
以下のように管理薬剤師の平均年収は一般薬剤師より100万円以上高いというデータもあるため、残業を組み合わせれば800万円到達も十分狙えますね。
性別 | 全体 | 一般職 | 管理薬剤師 |
男性 | 624 万 | 588 万 | 713 万 |
女性 | 527 万 | 505 万 | 676 万 |
男女計 | 565 万 | 534 万 | 698 万 |
3、認定薬剤師手当をもらう
認定薬剤師の資格を取得することで、手当が出る可能性もあります。
かかりつけ薬剤師の加算を取るために、認定薬剤師の資格は必須です。
そのため、従業員の取得割合を上げるべく、手当を用意している会社が多いです。
ただ、認定薬剤師にもいろいろ種類があり、取得が一番容易である研修認定薬剤師の手当は月額5,000円〜10,000円くらいです。
持っていないよりはもちろんマシですが、大幅な年収アップは期待できません。
ただ、それ以外の認定薬剤師では、さらに高額な手当を狙えることもあります。
例えば、調剤薬局大手である日本調剤のサイトを見ると以下のように記載されています。
7つの外部認定資格のいずれかを取得した場合、月額50,000円の手当を支給します。
①外来がん治療認定薬剤師
②緩和薬物療法認定薬剤師
③腎臓病薬物療法専門(認定)薬剤師
④栄養サポートチーム専門療法士
⑤糖尿病薬物療法認定薬剤師
⑥がん専門薬剤師
⑦HIV感染症薬物療法認定薬剤師
…社内強化チームあり
月額5万円というと、年収にして60万円のアップです。
比較的年齢が若くても、800万円に近づきやすくなるでしょう。
ただ、これらの認定薬剤師は“各専門学会の会員になり、学会発表が必要なもの”や“病院での実務経験が必須のもの”ばかりです。
病院勤務者でも取得難易度が高く、薬局薬剤師であれば企業のバックアップがないと到底取得できません。
実際、日本調剤では学会や試験の費用、病院での研修手配までサポートしてくれるそうです。
そういった企業に勤務していないとこれらの認定を取るのは難しいかもしれませんが、他にも認定薬剤師はたくさんあります。
まだ比較的取得の難易度が低い漢方薬・生薬認定薬剤師や認知症専門薬剤師などがあります。
現段階ではそれらの資格に対して手当の額を明示している会社を見つけることはできませんでした。
しかし、現職での昇進交渉や転職時に武器となることは間違いありません。
認定薬剤師の種類・薬局薬剤師におすすめの認定薬剤師についてはこちらの記事をご参考ください。
薬剤師研修センターの研修認定薬剤師をオススメする3つの理由とメリット
4、副業を始める
残業をたくさん引き受けたくても、会社から残業は抑えてと言われていることも多いでしょう。
まだまだ仕事をする体力が余っている場合は、副業で収入をアップさせるのも一つの手です。
薬剤師の副業にはさまざまありますが、仮に週1回でドラッグストアで時給2,000円のパートをするとします。(8時間勤務、月4回計算)
そうすると、月当たり、2000円×8×4=64,000円
年収にして、64,000円×12=75万円アップします。
残業だけでは届かない800万円も、副業をプラスすることで到達できる可能性がありますね。
ただ、気をつけないといけないのが、管理薬剤師であれば副業はできません。
年収アップ技として、掛け合わせることができないので注意が必要です。
ただ、管理薬剤師にも例外的に認められている副業や、その他もっと収入の良い薬剤師の副業もあります。
よければ以下の記事をご参考ください。
実際試して分かった!薬剤師の副業の実態!あなたへのオススメは?
転職により年収アップを狙う

職場別では、薬剤師の年収はだいたい一般的にこれくらいであると言われています。
職場 | 年収 |
病院(一般職) | 350〜450 万 |
調剤薬局 | 400〜600 万 |
ドラッグストア | 500〜700 万 |
製薬会社 | 500〜1000 万 |
注意:病院で役職がついたり、調剤薬局やドラッグストアでブロック長クラスになると、これ以上の年収であることもあります。
もし、現在病院や調剤薬局に勤めていて、現在の収入から800万円を目指すのがかなり難しい状態であるとします。
その場合は、思い切って転職するという考えもありではないでしょうか。
ドラッグストアに転職
一番現実的な転職から考えていこうと思います。
もし病院や調剤薬局勤務であれば、本業により近い仕事で、かつ求人も豊富にあるドラッグストアへ転職するのはいかがでしょうか。
ドラッグストアは夜診帯や土日の勤務が多い分、給料が高く設定されています。
ドラッグストアに転職しただけで、すぐ800万円に上がるのは難しいかもしれません。
ただ、ベースアップした上で先ほどまでご紹介したような収入アップ法を使えば、800万円に到達するのは不可能ではありません。
製薬会社・CRAへの転職
上の表を見ると、明らかに製薬会社の年収は高く、魅力的ですよね。
実際、製薬会社への転職はかなり狭き門ではありますが、不可能ではありません。
製薬会社といっても、職種はいろいろあります。
薬剤師には多種類の仕事がある!医療機関だけじゃない薬学部の就職先
残念ながら研究や品質管理への中途入社は、まず不可能と思ってください。
中途枠があるとはいえ、別の会社から移ってきた同じ職種の人など、でないと採用されないでしょう。
ただその一方、MRは高収入でもある上に、ある程度医薬品の基礎知識と現場の実態を知っている薬剤師の採用も行なっているようです。
研究職などと比較して会社の中での人数も多く、病院や薬局の薬剤師でも転職できる可能性はあります。
また、大手製薬企業の臨床開発は難しいとしても、同じような業務内容として、CRAならまだ転職の難易度は低くなります。
私の周りでも薬局薬剤師、病院薬剤師それぞれ1人ずつCRAに転職していました。
CRA(Clinical Research Associate/臨床開発モニター)は製薬会社の治験をモニタリングする仕事で、病院と製薬会社の間に入り、治験を監視する立場です。
CRAの会社自身は薬を開発しているわけではないので、世の中への認知度は低めです。
ただ、探してみると結構な数の会社があることが分かります。
そして、その中でも外資系のCRAはかなりの高給で、年収800万円は容易に達成できるでしょう。
しかも外資ということもあり、考え方も革新的。
私の後輩はスーパーフレックス制と言って、日本中どこにいても(たとえ沖縄でも)仕事ができると言っていました。
その上で調剤薬局勤めの私よりは、はるかに給料が良かったです。
今までの仕事内容とは全く異なるとは思いますが、CRAの仕事が上手くはまれば、高給である上に自由な働き方ができる可能性もあります。
ただ、ひとつ大きな注意点があり、CRA(特に外資)は英語力が相当レベル必要となります。
英語に自信がある人にはおすすめの転職です。
地方の管理薬剤師へ転職
都会よりも地方の方が薬剤師の数が不足しているため、待遇を良くしている傾向があります。
また、全国区の調剤薬局では地方手当が用意されている会社もあります。
過疎化が進んでいる地域ほどその手当も厚くなり、離島などでは10万円ほどの手当がつくこともあるようです。
私の友人は新卒2年目で離島に「お金を貯めに行ってくる」と、3年ほど行っていました。
すぐ管理薬剤師になったこともあり、年収は3年目で800万円近くありました。
それだけではなく、家賃補助でほぼ家にお金がかからなく、物価が安いことから、支出も激減したとのこと。
結果、彼が想像していた以上に貯金額を増やして戻ってきていました。
もし若くして年収800万円を目指したい、または地方薬剤師に興味がある、というのであればオススメしたい方法です。
年収800万以上の求人を見つけるには
年収800万円以上の求人はそれほど多くありません。
しかも、高収入の求人はやはり人気があり、倍率も高いです。
そういった求人に上手くたどり着くためには、転職サイトを上手く利用しましょう。
自力では見つけられない求人でも、転職サイトの方では非公開案件として紹介できることも多いです。
また、担当のエージェントさんに自分の要望を伝えていくうちに、どういった方向で年収をアップしていきたいか、というのもより明確になるでしょう。
プロに相談することで、こちらでは想像していなかったような提案を受けることができる可能性もあります。
薬剤師登録者数NO.1の薬キャリは医療人材業界における実績が他社より際立っています。
「なぜ年収が高いのか?」の裏側まで調査してくれているので、納得して転職できます。
まとめ
薬剤師が年収800万円を目指すのは、現実的に可能です。
現職のまま、残業や役職手当、認定薬剤師手当を使い年収アップを目指す方法が正攻法でしょう。
ただ、それだけでは800万円位到達するのが難しい場合、副業や転職といった考え方もあります。
特に転職は大きな年収アップに繋がる可能性のある方法です。
給料アップを目指せる転職先はいろいろな選択肢があるため、自分の今の能力や目的によって考えるのがいいと思います。
年収が800万円を超えると、高額所得者10%の仲間入りです。
今のあなたがそこを目指そうと考えた時、採用できそうな方法はありましたか?
いずれかひとつでもあなたにはまって、年収アップ、800万円につながれば幸いです。
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