
- 薬剤師の仕事にやりがいを見出せない。
- もっと自由に働きたい。
- もっと収入を増やしたい。
この3つは薬剤師として働き続ける上で、ぶつかる不満ですよね。
これらの不満を解消たいと考え、本気で行動を起こそうとしたときに、必ず選択肢に上がるのが”開業”です。
しかし、開業をあまりに簡単に考えてはいないでしょうか?
薬局の開設から経営を安定させるまでに、乗り越えなければならない課題がたくさんあります。
また、上記3つの不満を解消する方法は開業だけではないのに、深く考えずに開業に固執しているということはありませんか?
この記事では、薬剤師職への不満を持ち、その解決法として開業を検討しているあなたに向けて、薬局開設の難しさや、薬剤師資格を活かした転職について解説します。
薬剤師の仕事の幅広さに意識を向けられるかもしれませんよ。
なぜ開業したいのですか?
開業を検討するに至った理由は何でしょうか?
一度しっかり考えてみて下さい。
社長になって自由に働きたい

立場や自由を求めて開業を検討しているのですね。
きっと薬剤師の仕事内容に満足されていないのでしょう。
しかし、それは薬剤師職に満足していないだけではありませんか?
現在働いている薬局でキャリアアップする、あるいは転職することで満たされることはありませんか?
ほかの選択肢を深く考えずに、ハイリスクな開業に傾倒するのはオススメできません。
もっと収入を増やしたい

薬剤師職は採用から定年まで収入がほとんど増えませんよね。
ですが、収入を増やしたいだけならば、手段は開業だけではないはずです。
前述のキャリアアップや転職、副業などで収入は増やせます。
特に、薬剤師は夜遅くまで働き続けることはあまりないので、業務終了後に副業ができるはずです。
くり返しますが、いきなり開業というハイリスクな手段に出るより、キャリアアップや転職、副業を検討してみてはいかがでしょうか?
なぜ薬局開業は難しいのか?
薬局の数の問題
薬剤師であれば一度は聞いたことがあると思いますが、現時点で薬局が飽和しています。
調剤薬局はコンビニほど身近なお店ではないのに、コンビニよりも数が多いのです。
薬局ではなく、コンビニを新しく始めるところを想像してみて下さい。
土地の確保や他店との競争、店員の確保など、考えなければならないことがたくさんありますよね。
コンビニの経営が難しいと思うのであれば、薬局はそれよりも難しいということになります。
立地の問題

近年は「かかりつけ薬局」に関心が寄せられています。
かかりつけ薬局は特定の医療機関の門前には店舗を構えずに、地域に根差した経営を目指す薬局です。
かかりつけ薬局の開設は患者数の確保が課題であり、そのための設備投資やアイデアが必要になります。
一方、門前薬局は医療機関の目の前に店舗を構えます。
開設にあたって、新しい医療機関開設の情報戦を制する必要があります。
この場合、個人で戦うのは難しいため、コンサルタントなどの専門家に意見を求めることになるでしょう。
法律の問題

かかりつけ薬局の推進に伴って、政府は門前薬局への規制を強化しています。
あなたの薬局も調剤点数の引き下げを恐れているのではありませんか?
今後の更なる規制強化が予想されており、安定した経営が望めそうな門前薬局でも、十分な調剤点数が取れない可能性があります。
くすりを売っても売っても赤字続き、という恐ろしい未来がありうるのです。
大手の存在
近年は、ウエルシアやスギ薬局など、調剤薬局併設のドラッグストアがすごい勢いで事業拡大を進めていますよね。
これら大手のドラッグストアは調剤や医薬品の販売だけでなく、日用品や生鮮食品などを販売しております。
医療以外での地域に根差した経営を通して、かかりつけ薬局としての課題を克服しています。
こうしたドラッグストアに飲まれないためには、ドラッグストアには無い、あるいはドラッグストア以上のサービスを提供しなければなりません。
一方、アイン薬局やアイセイ薬局など、調剤薬局中心の大企業は前述の規制強化をものともせず、医療機関の門前を確保しています。
驚くことに、門前薬局の規制強化は大企業にとって、「他の薬局に行くより安く済みますよ」というセールスポイントにすらなっているのです。
こんなレベルで小さな利益をたくさん積み上げるやり方を実現するには、かなりの労働力や工夫が必要があります。
薬局開設を検討するのであれば、こうした大企業に飲まれない戦略を立てなければなりません。
深く考えていましたか?
仕入れの問題

薬価差益が問題になったのはもうずいぶん昔の話ですよね。
日本では医薬品それぞれに薬価が定められています。
薬局のくすりの仕入れは薬価に従って行います。
これは言い方を変えると、仕入れ価格の値下げ交渉ができないということです。
薬局が大きな売り上げを出すには、決められた調剤点数と薬価の中で患者数を増やすしかないのです。
意外と幅広い薬剤師の仕事
開業の難しさを知って頂いた上で、仕事内容をもう一度考え直してみましょう。
薬剤師免許や薬学の知識を役立てることができる仕事は結構あるのです。
薬剤師職以外の薬剤師の仕事 (一例)
科学捜査研究所研究員
いわゆる科捜研です。
科学的知見に基づいて、刑事事件の解決に取り組みます。
年収は500万-650万円ほどのようです。
麻薬取締捜査官
こちらも警察組織ですね。
麻取は普通の警察官と違って、囮(おとり)捜査などの権限が認められています。
武闘派薬剤師です。
年収は600万-650万円ほどのようです。
メディカルライター
医薬系の書類を作製します。
安全性や品質管理のデータであったり、治験の手順などを文章にします。
近年、テレワーク化してきています。
年収は400万-600万円ほどのようです。
安全性・品質管理
企業薬剤師の代表的な仕事です。
医薬品や化粧品などの品質を管理します。
年収は400万-750万円ほどのようです。
年収1,000万円を目指すなら
MRや大手製薬企業の研究職や学術職を目指しましょう。
特に研究職を目指すのはかなり難しいので、この場合は覚悟してください。
薬剤師の転職サイトは使い方が大事
薬剤師向けの転職サイトはたくさんありますよね。
転職を成功させる転職サイトの使い方のコツは1つです。
1つのサイトに限定して利用しないことです。
複数のサイトを使いましょう。
開業と同様に、深く考えずに転職してしまう人が多いです。
その後のキャリアを決める大事な決定です。
複数のサイトを骨の髄まで使い切ってください。
1つに限定しなければならない理由は在りません。
その中から一番満足のいく条件に乗りましょう。
失敗しにくい開業の方法3つ
キャリアアップでも転職でもない!開業したいんだ!
という方に向けて、失敗しにくい開業の方法を3つ紹介します。
フランチャイズ契約をする
大企業から支援を受けて、自分の薬局をもつ方法です。
大企業の資本や経営ノウハウを借りて、比較的安全に開業できます。
ただし、売り上げからロイヤリティ (ノウハウや資本の利用料) を毎月払ったり、契約規則があったりと、あまり自由は効かないかもしれません。
既存の薬局を買い取る
既にある薬局を購入して、自分の薬局とする方法です。
近年は、高齢な薬剤師が薬局の後継者を探していることがよくあります。
ある程度患者数を確保できている点では他より安心な方法です。
知人の医師とともに開業する

医師の知人がいて開業を検討中のようであれば、その門前に薬局を作らせてほしいと提案しましょう。
知人であれば、大企業が情報をつかむ前に開業の準備を始められますし、処方箋の疑義照会などの薬局業務もやりやすいと思います。
また、門前なので新規の医療機関の患者をほぼ独占できることでしょう。
ただし、その医療機関に患者が来なければその影響を受けることになります。
加えて、今後の門前薬局への規制強化次第では利益を上げられないかもしれません。
最重要!競合他社を出し抜く方法

「競合他社を出し抜く方法を自分で考えて、自己責任で実践する」ことが最重要です。
具体的な方法は私にもわかりません。
知っていたとしても、絶対に教えません。
仮にそれを知っていたとしたら、誰にも教えずに自分で実践します。
それが一番儲かるのは、考えればわかりますよね。
すなわち、本当に儲かる薬局経営なんて誰も教えてくれないということです。
経営は自分のアイデアと行動力が重要だということを心得ておきましょう。
まとめ
開業する前に次の2つについてよく考えて下さい。
- 薬局の開設はコンビニの事業拡大戦争に挑むよりも困難である。
- 開業願望の根っこのところは、転職によって解決しないか。
どうしても開業したい場合は以下の方法を検討する。
- フランチャイズ契約や薬局の買収などの安全策を取る。
- 知人の医師とともに開業する。
最重要なのは、経営の成功にはアイデアと実践が不可欠であることです。
あなたが後悔のない選択をすることを祈っています。
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大きな薬価改定や「対物業務から対人業務へ」という方針の変化など、薬剤師の環境は大きな変化を強いられています。
その変化によって、適応できず勤務先が廃業してしまった、仕事が激務になったなどの話も聞いたりします。
かつては売り手市場と言われた薬剤師の転職も、その変化の影響を受けないわけがありません。
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