
「派遣薬剤師は時給が高いから、正社員の給料を越えられるよ!」と聞いたことはありませんか?
派遣は残業が少ないのに、年収が高いなんて、そんなおいしい話あるのかなと思いますよね。
派遣薬剤師が高時給なのは事実ですが、その分、正社員やパートにはないデメリットもあります。
今回は派遣薬剤師のお金事情や懸念点をまとめてみました。
派遣薬剤師の時給はどれくらい?

派遣薬剤師は、とにかく高時給のイメージが強いですよね。
実際に、パートなど含めた平均時給とどれくらい違ってくるのか、見てみましょう。
薬剤師の平均時給は?
薬剤師の平均時給は厚生労働省が出している「賃金構造基本統計調査」で確認できます。
短時間労働者の職種(小分類)別1時間当たり所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)
上記の統計によると、薬剤師の平均時給は2,414円となっています。
ここには日曜や祝日の休日勤務や、夜間勤務の時給が含まれますので、時給はやや高めに出ているかと思います。
ちなみに、「短時間労働者」はパートやアルバイトを指すので、派遣社員はこの統計には含まれません。
派遣薬剤師の時給相場は?
一方、派遣薬剤師の時給はいくらでしょうか。
派遣求人を見てみると、時給2,300円~3,500円が多い印象です。
地方の薬局だと時給4,000円台や5,000円台の求人も見受けられます。
パートと比べると、同じ時間帯の求人でも、派遣の方が高時給なのは間違いありません。
派遣薬剤師が高時給である理由

派遣薬剤師は、なぜ高時給なのでしょうか。
これは「高い時給を払ってでも、すぐに薬剤師がほしい」と薬局側が思っているからです。
薬局が派遣薬剤師を募集しているのは
「産休に入る薬剤師がいるから、復帰までの間働いてくれる人がほしい」
「急に退職が決まった薬剤師がいるから、次の正社員が決まるまで働いてくれる人がほしい」
など、緊急的な理由が多いのです。
薬局に派遣薬剤師を呼ぶには、薬剤師の給料に加え派遣会社にも手数料を払いますので、薬局としては大きな出費となります。
しかし、人手不足で薬局業務がまわらなくなるリスクをとるよりも、派遣薬剤師に来てもらうほうがいいと思っているのです。
ですので、派遣薬剤師は高時給で雇われる以上、薬局の即戦力として働くことが求められます。
派遣とパートの違いは?

時給をもとに給料をもらう働き方は、派遣以外にもパートがあります。
このふたつの働き方ですが、違いがなんとなく分かりませんよね。
細かく見ると大きく違う点がありますので、一緒に見ていきましょう。
従業員が契約する会社が違う
派遣とパートでは、そもそも雇用契約を結んでいる会社が違います。
左側の図が派遣契約、右側の図がパートなどの直接契約を指します。
パートの場合は「雇用主」にあたる調剤薬局と直接、雇用契約を結びます。
ですので、給料は調剤薬局から直接受け取りますし、福利厚生も薬局の規定に準じて受けられます。
一方、派遣の場合は、「派遣先」にあたる調剤薬局で働きますが、雇用関係にあるのは「派遣元」である派遣会社です。
つまり、給料受け取りや福利厚生は派遣会社の規定に準じます。
同じ薬局で働くにしても、パートと派遣では雇用関係にある会社が異なるため、待遇面で差が出てくるのです。
契約期間が違う
契約期間が異なるのも、大きな違いです。
パートでの契約は、基本的に期間が定められていません。
一方、派遣は「3ヶ月間だけ」など期間が決められています。
「3ヶ月後に海外留学に行くから、それまで働けるところを探そう」
など、期間が決まっていることがメリットになることもあります。
しかし今後、派遣で働き続ける場合、契約満了後に次の派遣先が決まらない可能性もなきにしもあらずです。
派遣薬剤師って実際どうなの?

高時給でいいことだらけに思われがちな派遣薬剤師ですが、以下のようなデメリットもあります。
- 安定していない(継続的に働けるか分からない、年収が保証されない)
- 職歴が増える
- 忙しい職場が多い
派遣を始めてから後悔しないよう、デメリットも理解した上で挑戦しましょう。
安定していない

「派遣は安定していないから心配」とよく言われます。
どのような点から安定しないといえるのか、見ていきましょう。
継続的に勤務できるとは限らない

前の項目でもお伝えしましたが、派遣契約は期限が決められます。
「3ヶ月間」「半年間」など様々です。
契約期間終了後、薬局側が引き続き来てほしいと言ってくれる可能性もありますが、実際はどうなるかは分かりません。
また、2021年のコロナウイルス流行で、処方せん枚数が減り、派遣求人数が急激に減った時期がありました。
今後また同じような状況になったとき、派遣先がなく働けない可能性もあります。
そう考えたとき、正社員やパートは期限の指定なく契約されますので、その薬局がなくならない限り、勤務を続けられるのです。
年収が保証されない

派遣は契約時に期限が定められますので、その期間の収入しか保証されません。
つまり、正社員時代よりも年収が増えるかは、年内の契約が全て決まらない限り分からないのです。
よく「時給3,000円の派遣で働いたら年収はこれぐらいになる」と計算する人もいます。
しかし、それはあくまでも「契約終了後も時給3,000円の派遣先を紹介し続けてくれる」が前提になります。
はじめは自分に合った条件で高時給の派遣先に行けても、そのまま同じ条件を継続できない可能性があることは念頭におきましょう。
色んな派遣先を経験すると、その分職歴が増える
「派遣薬剤師をやってみたけど、やっぱり正社員に戻りたい」と思うこともあるでしょう。
正社員の選考を受けるときには履歴書を記載します。
職歴の欄は派遣会社のみを書くと思われがちですが、派遣先の薬局も記載する必要があります。
派遣で勤務した薬局が多いと、その分、経験豊富だと評価される可能性もあります。
しかし、なるべく長く働いてほしいと思っている職場の場合、職歴が多いと「早くやめてしまうのでは」と思われマイナスの印象を与えかねません。
忙しい職場に派遣される可能性が高い

薬局側は「人数不足で薬局が回らないから、高いお金を払ってでも1人ほしい」と思い派遣を依頼します。
現状の薬局全体の業務量に対し、薬剤師が少ない職場だと予想できますよね。
つまり、派遣先の薬局は忙しい職場である可能性が高いのです。
薬局からは大変な時に来てくれて感謝されるかもしれません。
ですが、忙しい薬局への苦手意識がある、忙しいなか分からないことを聞くのに過度に気を遣ってしまうなどがあれば、派遣の働き方は精神的に疲れやすいでしょう。
派遣薬剤師の求人を探すには

デメリットを考慮した上でも、ご自身の今の状況が派遣薬剤師に向いていると思うのであれば、まずは派遣会社に登録してみましょう。
派遣会社は薬剤師専門に絞っても、複数社あり、どこにするか迷うかと思います。
まずは、何社か登録してみて、自分に合うところはどこか判断するといいでしょう。
派遣会社については、以下の記事にもまとめていますので参考にしてくださいね。
まとめ

以上、派遣薬剤師についてまとめました。
派遣薬剤師は高時給というメリットはありますが、安定しないなどのデメリットもあります。
実際に働いてから後悔しないよう、派遣という働き方を理解した上で挑戦してくださいね。
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