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なぜ”薬剤師なんて馬鹿でもなれる”のか?才能よりも重要な薬剤師の資質

近年は薬剤師職の人気が高まっているようですね。

小学生のなりたい職業の上位にランクインしたり、こどもに薬剤師になってほしいと考える保護者が増えたりしているようです。

大学入試でも薬学部の人気が目立ちます。

薬剤師という職業には賢くて安定したイメージがありますよね。

ところが、一部では「薬剤師なんて馬鹿でもなれる」と言われていたりもします。

今回は

・薬剤師は馬鹿でもなれるのか?

・優秀な薬剤師に必要なこととは?

考えてみます。

薬剤師は本当に馬鹿でもなれる?

薬剤師は馬鹿でもなれると言われることがありますが、本当にそうなのでしょうか?

入試時、在学時、国家試験時に分けてお伝えします。

薬学部入試の話、頭が悪い高校生が薬学生になるまで

薬学部には馬鹿と呼ばれる人でも入れます。

あなたは偏差値ランキングなど薬学部受験について調べたことはありますか?

驚くことに、薬学部の中には低偏差値・定員割れ・ボーダーフリーの大学があります。

つまり、誰でも薬学部を受験したら薬学生の仲間入りを果たすことができます。

ただし、問題は学費です。

上記のような大学はすべて私立大学です。

年間約200万円もかかります。卒業までには約1,200万円です。

しかし、これは受験生よりも保護者にとっての問題のため、受験生が何かを頑張る必要はありません。

よって、本人が努力を重ねたり、特別な才能を持っていなくとも薬学部に入れます。

強いて本人の努力が必要なポイントを挙げるとすれば、高校卒業の資格くらいでしょうか。

この受験難易度の低さが、”薬剤師なんて馬鹿でもなれる”と言われてしまう最たる理由なのです。

しかし、薬学部入学を気楽に考えていると在学中に痛い目にあいます。

薬学部在籍中の話、ボトム薬学生が知識を叩き込まれる過酷な道のり

晴れて薬学部に入れたわけですが、ここからは簡単にはいきません。

以前、別の記事でお伝えしたことがありますが、低偏差値・定員割れ・ボーダーフリーの大学であっても、薬学部内での進級は難しいのです。

留年を繰り返した挙句、限界を感じて退学してしまう学生も多いとのこと。

卒業までに学年の30%もの人が留年・退学してしまう大学もあるのだとか。

薬学部に入ったあと、大学が定める厳しい進級条件を乗り越え続けた学生のみが薬剤師国家試験にたどりつけるのです。

私立大学の薬学部では留年1回で200万円です。

退学なんてしてしまえば、それまでに費やしてきたものがすべて無駄になります。

なによりも、学生自身が惨めに感じるでしょう。

実力不足を感じるけど薬学部に入ろうと思うのであれば、勉強漬けの大学生活を覚悟しなくてはなりません。

国家試験の話、努力次第でどうにでもなる

これまた以前触れましたが、国家試験の合否に地頭は関係ありません。

周囲から馬鹿と呼ばれるような人でも合格できるのです。

ブログ内で何度も申しておりますが、私も頭が良いわけではありません。

重要なのは国家試験に向けて頑張ってきたかどうかです。

東大生でも対策しなければ落ちます。

国家試験の成績がボトムレベルの大学は、合格率が50%弱となっています。

言い方を変えると、上記のような大学でも国試までたどり着けば半分が薬剤師になれます。

前述の30%の脱落者を含めて考えると、入学者の約1/3が薬剤師になれるということです。

この数字の捉え方は人それぞれでしょうが、努力し続ければ”誰でも薬剤師になれるということです。

薬剤師になれた!じゃあ、どこで働く?

才能ナシ努力だけで上がってきた”という薬剤師の就職先は医療機関が多いです。

「えっ」と思いましたか?

患者視点で考えれば、医療人は才気あふれる人であってほしいと思うのは当然ですよね。

しかし、薬剤師職は採用のハードルが低いのです。

調剤薬局や調剤併設のドラッグストアは、薬剤師であればほぼ確実に採用します。

病院は推薦があれば、誰でも採用される可能性があります(ただし、国公立優遇の傾向はある)。

一方、研究職や開発職、学術職などは就職が難しいです。

薬剤師コースの出身であることがネガティブに働く場合もあります。

こういった職種に就けるのは賢い薬剤師が多いでしょう。

もちろん、医療機関を目指す賢い薬剤師もたくさんいます。

馬鹿が薬剤師職についてはいけないの?本当の”無能”な薬剤師とは

薬剤師に必要なのは地頭ではありません。

学び続けることです。

くすりについての知見は日々更新されていきます。

遅れを取らないようにアップデートし続けて、それを患者さんや他職種の方々に提供することが薬剤師の最たる使命ではないでしょうか?

そこに必要なのは才能ではなく努力ではないでしょうか?

薬剤師としての優秀さは、馬鹿かどうかとは関係ありません。

ひたむきに学び続けましょう。

薬剤師になったことに驕(おご)り、学びを止めることこそが最もふさわしくない姿なのです。

あなたは知識が古いままの”無能”な薬剤師にならないでくださいね。

それでも馬鹿にされることはある

謙虚に頑張り続けても馬鹿にされることはあります。

そして、その理由は主に医師との比較にあります。

薬剤師が患者の症状を確認したり、処方内容に異議を唱えたりすると

「薬剤師が医者を気取るな」

「医師の先生がこれで良いって言ってるんだから、つべこべ言わずに薬をだせ」

「薬剤師はクズだな」

などと言われることがあります。

これは、日本で薬剤師をする以上避けては通れないかもしれません。

事実として、日本の医師は優秀な人が本当に多いです。

大学受験時点での話をすれば、医学部はボトムでも偏差値が60を越えます。

しかし、薬剤師が職務を全うすることは必ずより良い医療を患者さんに提供することに繋がります。

例え患者さん本人から心無い言葉をかけられたとしても、職務に努めましょう。

くすりに関して、医師に意見できるのは薬剤師だけなのです。

今後は努力だけでは薬剤師にはなれなくなる?

日本の医療業界は欧米諸国の医療をお手本に発展してきました。

薬剤師コースが6年制になったのもこのためです。

欧米諸国の薬剤師は日本の薬剤師よりも地位や権限が強いし、それに見合った知識を身に付けています。

近年の日本の薬学教育の場では、薬剤師を欧米諸国のものに近づけていこうとする気配を感じます。

それに伴い、国家試験も困難なものになりつつあります。

合格基準は相対評価になり、合格率も70%を切りました。

薬剤師になれる人の数を減らそうとする動きがあります。

もしかしたら、努力だけでは薬剤師になれない日がくるかもしれません。

まとめ

  • 馬鹿でも薬剤師になれる。
  • 学び続けることで優秀な薬剤師になれる。
  • 薬剤師の職務は必ず患者のためになる。

あなたが”優秀な薬剤師”になれることを祈っています。

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