
薬剤師は、常に自分の知識を高め、患者さんへ対応することが求められます。
薬剤師として働く上で、必要な能力を維持するためには、日頃から勉強を続けることがとても大切ですよね。
知識不足の薬剤師は、患者さんだけでなく、医師や看護師など他業種からも、信頼を得ることができません。
「勉強し続ける」ということは、薬剤師という職業を選んだ瞬間から課せられた使命ではないでしょうか?
薬剤師の勉強方法としては、
- 書籍を読む
- 勉強会や研修会へ参加する
などの方法がありますが、現在ではeラーニングで勉強するのが一般的です。
薬剤師向けのeラーニングは、色々な企業や団体が提供しています。
しかし数が多すぎて、どの企業や団体のeラーニングを選んだら良いのかわからなくなりませんか?
どんなeラーニングがあり、どのような違いがあるのか特徴をまとめてみました。
そもそも、eラーニングってなに?

eラーニングとは、インターネットを利用した学習形態のことで、
e(electricな、電子的な)+ラーニング(学び)という文字通りの意味です。
十数年前までは、研修と言えば会場に行って受講するのが一般的でした。
その後、パソコンの普及とともにCD-ROMやDVDを配布して、ビデオ学習を受けるなんていう形態が登場。
しかし制作に大きなコストがかかり、一度配布すると内容の更新や修正ができなかったため、主流にはなりませんでした。
そして、インターネットの発展に伴い、WEBで研修が受けられるようになり、eラーニングが登場しました。
eラーニングという呼び方は、決められている訳ではなく
- e-Learninng
- webラーニング
- オンライン学習
など、様々な形で呼ばれています。
現在では、講座の受講だけでなく、掲示板やブログ、SNSなども取り入れる形式も普及し始めているそうです。
ただ受講者するという一方通行のコミニュケーションだけでなく、
受講者から製作者、または受講者同士でコミニュケーションを取るスタイルは、
学習意欲を高めるためにとても良い影響がありそうですよね。
eラーニングで学ぶメリット
今や薬剤師の学ぶツールとして、主流となったeラーニング。
eラーニングで学ぶメリットは、
- 受講者の好きな時間に、学習できる
- 教材の製作者も、いち早く最新の情報を配信でき、タイムラグが少ない
- 学習の進捗や履歴をネット上に保存できるので、学習計画を立てやすい
- 繰り返し研修を受講することができ、習熟度が上がる
ということが挙げられます。
好きな時に、好きな内容を、好きなだけ勉強できるって、凄くポイント高いですよね。
eラーニングで学ぶデメリット
いつでも学べるのは良いのですが、残念ながらデメリットもあります。
- 実技を伴う学習には向かない
- ネット環境がないと見れない
- いつでも受講できると思う反面、モチベーションの維持が難しい
実技は、仕事をしながら先輩の手技を見ることで補えます。
ネット環境もスマホがあれば見れるので、今ではそれほど大きな問題ではないかと。
でも、モチベーションが低いと身につくものも身につかないですよね。
勉強を続けるには、モチベーションの維持が必要です。
どうしても気分が乗らない時は、カフェや図書館などへ行ったりして環境を変えると、
気分転換が出来、勉強がはかどるかもしれません。
また、一緒に頑張る仲間がいると、お互いに進み具合を確認したり、教えあったりして
「自分も頑張らなきゃ!」という気にさせてくれます。
私だったら、「自分を頼ってきてくれる、患者さんを思い浮かべる」と、モチベーションの維持ができます。
「頼りにしてくれる患者さんの期待に応えなければいけない」という使命感があると、勉強しなきゃという気になります。
モチベーションの維持ができれば、気軽に毎日受講できるeラーニングは、薬剤師の勉強方法としてベストだと思います。
薬剤師のためのeラーニング
薬剤師のためのeラーニングというと、「認定薬剤師を取得するためのeラーニング」がほとんどです。
現在、20ほどの企業や団体が認定薬剤師を取るためのeラーニングを行っています。
各社のeラーニング比較表
名称 | 運営団体 | 講座数 | 40単位取得のための料金(税込) |
メディカルナレッジ | 特定非営利活動法人医療研究所 | 1185(395単位) | ¥19,800 |
MPラーニング | 株式会社MDPS | 710講座(236単位) | ¥16,500 |
Pharma Stream | 日本薬剤師教育企画委員会 | 134講座(134単位) | ¥23,760 |
ENIF club 薬剤師 webラーニング | 東邦薬品株式会社 | Pharma Streamと同じ | ¥19,800 |
JPラーニング | 株式会社メディカルリソース | 15講座(45単位) | ¥13,200 |
かかりつけ薬剤師.com | 一般社団法人 医歯薬アドバンス365 | 42講座(42単位) | ¥24,000 |
AMEE薬剤師生涯学習プログラム | 一般社団法人 医薬教育倫理協会 | 75講座(75単位) | ¥19,250 |
薬剤師あゆみの会 e-learningシステム | 一般社団法人 薬剤師あゆみの会 | − | ¥10,800 |
アプロ・ドットコム | 株式会社アプロ・ドットコム | 900講座(300単位) | 120講座(40単位)まで無料 |
m3ラーニング | エムスリー株式会社 | 44講座(132単位) | ¥37,000〜¥54,000 |
地域包括ケアを担う薬局薬剤師の為のインターネット研修 | 公益財団法人 杉浦記念財団 | 138講座(138単位) | ¥7,000 |
日本在宅薬剤師会 | 一般社団法人 日本在宅薬剤師会 | − | ¥10,000 |
ざっと挙げただけでも、こんなにたくさんあります。
正直、どれが良いのか悩みますよね。
- 講義の内容が面白いか
- 本当にためになるか
- 講義の種類が豊富か
- 料金が安いか
- 受講しやすいか
などが、検討材料になるかと思います。
上の表の中で、あなたに一番合いそうなものはありましたか?
まだイマイチ決め手にかけるという場合のために、私の独断と偏見で以下にオススメを挙げます。
オススメeラーニング5選

私が「今まで受けたことがあるもの」「お試しで見たもの」「ネットの評判」を総合的に見て選んだものが、以下の5つです。
メディカルナレッジ
https://www.medical-knowledge.net
なんといっても講座の数がダントツで多い!(2021年9月現在で1,185講座)
これだけたくさん講座があれば、気分が乗らない日でも、気になる講座が見つかるはず!
講座の印象は大学で授業を受けているような、少し単調なのが残念ですが、講座なんてそんなものと割り切れば問題なし。
講座の最後にはテストもありますが、点数に関係なく単位がもらえます。
(でもせっかく受けたのなら、テストも満点にしておきたいかも?)
2021年8月にはスマホ用のアプリも登場し、操作性も良いです。
講座は全て「研修認定薬剤師」取得の対象講座となりますが、
- 認知症研修認定薬剤師制度
- 緩和薬物療法認定薬剤師制度
- 老年薬学認定薬剤師制度
- 漢方薬・生薬認定薬剤師制度(更新)
などの他の認定制度にも対応しています。
さらに、日本薬剤師会の研修制度「JPALS」のポートフォリオ(実践記録)の対象にもなっています。
このように、他のeラーニングよりも活用度が高いのも特徴です。
MPラーニング
https://www.mp-learning.com/start.aspx
医薬品卸のメディセオが主催しているeラーニングです。
大学病院の教授や現役の医師・薬剤師が講師となり、実践に有利な講座が多いのが特徴。
そして一番のポイントは、なんと言っても講座がわかりやすい!
講座によっては資料が印刷できたり、実践的な内容が多いので、知識の定着度はかなり高いと思います。
メディカルナレッジに比べると少ないですが、講座の数は、710講座(2021年9月現在)。
これだけあれば、「受けたい講座がない!」と悩むことはないんじゃないでしょうか?
JPラーニング
日本調剤グループの薬剤師紹介会社である、メディカルリソースが主催しています。
基礎・初級・中級・上級の4つの段階に分かれ、全15講座からなり、
講座を受けた後は実力テストを受け、レポートを提出することで単位を申請することができます。
こちらも講座のあとにテストがあり、点数に関係なく単位を申請できますが、レポートも提出する必要があります。
少し面倒に感じると思いますが、保険薬剤師としての調剤実務知識を確実につけることができると思います。
おすすめポイントは、学習テーマが300以上あり、問題には1,000ページ以上の解説資料がある点です。
「動画だけでなく、紙でも勉強したい」という場合にとてもいいですよね。
また、30日間無料で9単位取ることができるという特典もあります。
地域包括ケアを担う薬局薬剤師のためのインターネット研修
https://sugi-zaidan.jp/smf/iseminar/
スギ薬局ホールディングスが創立35周年を記念して設立された、杉浦記念財団運営のeラーニングサービスです。
年額¥7,000で、研修認定薬剤の申請に必要な単位を取得できるのは、めちゃくちゃコスパ高いです!
(ただし、1日取得上限が4単位で、休みの日にまとめて単位を取得することができないので要注意)
他のeラーニングと同様、確認テストがありますが、60%以上正解しなければいけません。
そして、講座によってはレポートの提出が必要で、
レポート採点で理解度が不十分と判断されると、再提出を求められるので要注意です。
少し厳しいかなと思う点もありますが、
しっかり知識が定着するように、お尻を叩いてくれている
と思えば、
- 料金は安いし
- 確実に知識は身につくし
自分を律するためにも良いかと思います。
また、近年高まる在宅医療のニーズに合わせて地域包括ケアを分かりやすく学ぶことができるのも特徴です。
アプロドットコム
アプロ・ドットコムは、派遣薬剤師の求人紹介会社です。
アプロ・ドットコムに登録している薬剤師限定となってしまいますが、
年間120時間以上派遣勤務した薬剤師のために、無料でeラーニングを受講することができます。
通常eラーニングには、年額¥10,000〜¥20,000かかりますが、それが全て無料なのは、マジで破格です。
アプロ・ドットコムは厚生労働省の優良派遣事業者認定を得ており、企業としての信頼度も高いです。
口座数も900講座あるので、「受けたい講座がない!」なんてことはありませんね。
番外編 無料のeラーニング
https://e-mr.sanofi.co.jp/useful
認定単位の取得はできませんが、サノフィが主催するe-MRファルマシアンは、無料で見ることができるe-ラーニングです。
- 薬剤師向けの書籍を書いたり、公演を行っている有名な先生方がコラムを執筆
- サノフィの製品情報を詳しくチェックできる
- 生活習慣病やアレルギー、循環器やワクチンなど役立つ情報
の動画などを見ることができ、非常にサイトの内容が濃いです。
薬剤師としての知識が深まるだけでなく、
- Web公演の閲覧ができる
- 服薬指導で使う資材を注文できる
- 服薬指導に使えるネタがたくさん
などなど、「これが無料で良いの?」ってくらい充実しています。
認定取得の勉強の合間に、ぜひのぞいてみてください。
eラーニングの受講料を補助してくれる企業もある?
企業によっては、受講料を負担してくれるところがあります。
平成28年度の調剤報酬改定で新設された「かかりつけ薬剤師」制度は、
eラーニングを受講して単位を取得した認定薬剤師しか活動することができません。
かかりつけ薬剤師確保のために、受講料を負担し、認定を取りやすいようサポートしてくれるんです。
スキルアップのために、制度が整っている職場へ転職するのも、今後のキャリアを考える上で大切かと思います。
まとめ

薬剤師は、日々進化する医療の知識を身につけ、患者さんに対応する必要があります。
薬剤師に求められる能力を維持するためには、毎日の勉強が大切ですが、
薬剤師が勉強をするツールとして現在主流なのがeラーニングです。
eラーニングは、いつでもどこでも最新の講座を受講することができますが、その反面モチベーションの維持が難しいです。
しかし、「患者さんの期待に応えたい」という気持ちを持つことで、モチベーションを高く維持できると思います。
eラーニングは、20を超える企業や団体が主催していますが、私のオススメは5つ。
- メディカルナレッジ
- MPラーニング
- JPラーニング
- 地域包括ケアを担う薬局薬剤師のためのインターネット研修
- アプロ・ドットコム
あなたに合うeラーニングは見つかりましたか?
eラーニング費用を負担してくれる企業もあり、今後のキャリアを考え、転職する選択肢もあります。
勉強をし続けることは、薬剤師の宿命です。
忙しい仕事の合間でも、かしこく学んで知識を高め、患者さんに求められる薬剤師になりましょう!
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大きな薬価改定や「対物業務から対人業務へ」という方針の変化など、薬剤師の環境は大きな変化を強いられています。
その変化によって、適応できず勤務先が廃業してしまった、仕事が激務になったなどの話も聞いたりします。
かつては売り手市場と言われた薬剤師の転職も、その変化の影響を受けないわけがありません。
そんな中で、後悔のない転職活動をするためには、自分が企業にとってどう映るのかという客観的な視点や、企業の表には出てきにくい情報などもしっかり吟味したうえで慎重に転職活動をすすめていく必要があるでしょう。
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