
普段の業務中に何気なく使用している電卓。
薬剤師にとっては必須と言えるアイテムです。
就職後とりあえず必要ということで、その辺の文房具屋で購入したポケット電卓をずっと使っている。
そういうことも多いのでは無いでしょうか。
かくいう私がそうで、薬剤師になるときに購入した単純な計算機能のみが備わった愛用電卓がありました。
ただ、それが先日ついに壊れてしまったため、新しいものを買い替えようと検索してみました。
そうすると、薬剤師業務をよりスムーズに、より効率化してくれるという電卓を発見したのです!
その名もズバリそのまま“薬剤師電卓”です。
今回は
- 薬剤師電卓の機能について
- 薬剤師電卓は購入するべきかどうか
について考えてみます。
薬剤師電卓について
電卓といえばで有名な国内メーカーCASIO。
数多くの機能性電卓を制作しているCASIOが、現場の薬剤師の声を反映して制作したのが薬剤師電卓です。
価格は定価で5,500円(税込)です。
携帯に便利なポケットサイズで、抗菌加工が施されています。
そして何より、現場で役立つ専用計算キーが豊富とのこと。
CASIOのアピールポイントをかいつまむと
- 複雑な計算が専用計算キーでスムーズに
- ヒューマンエラーの削減をサポート
- 計算時間の短縮により業務負担を軽減
とあります。
どんな便利機能があるのか気になりますよね。
専用計算キー

- BMI計算
- 標準体重計算
- 散薬監査計算
- 力価計算
- 体表計算
- 腎機能計算
- 日数計算
- 余り計算
想像以上にかなりたくさんの専用キーがありました。
ただ、たくさん専用キーがあれば良いってものでもありません。
大事なのは現場でどれだけ役に立つかです。
一つずつ検討していきたいと思います。
BMI計算&標準体重計算
- BMI=体重(Kg)÷身長(m)÷身長(m)
- 標準体重=22×身長(m)×身長(m)
上記の計算式を、電卓の指示に従い体重と身長を入れるだけで算出できるというもの。
ただ、元の式自体がそんなに複雑でないし、 BMI計算式くらいなら暗記している人も多いと思います。
加えて、私自身かつて薬局で患者のBMIを測定したことははっきり言って1回もないです。
(だいたいの体型で判断し、それに合わせた生活習慣病の食事指導や運動指導くらいはありますが。)
よって、この機能については使用頻度はかなり低いと思われます。
散薬鑑査計算
まず、この散薬鑑査計算のために用量・日数・空包重量・誤差範囲を打ち込まないといけません。
「めんどくさい」というのが私の正直な感想です。
散薬鑑査計算は既に各々の薬局でマニュアル化されていることと思われます。
ある程度空包値や誤差範囲などは自動計算されているところも多いのでは。
それを踏まえるとこの機能も現場ではうまく活用できないのではと考えられます。
力価計算
成分量⇆秤量値での計算ができます。
これは有用そうな機能です。
やはり散薬の調剤で怖いのは10倍、100倍といったオーダー単位のミス。
一発で大事故に繋がるミスを軽減できるというのはありがたいです。
体表計算
- DuBois式 体表面積 = 身長(cm)0.725 × 体重(Kg)0.425 × 0.007184
- 藤本式 体表面積 = 身長(cm)0.663 × 体重(Kg)0.444 × 0.008883
いずれかを選んで体表面積が算出できます。
BMIに比べたらはるかに複雑な式になるため、一般的な電卓では算出することはできません。
それを踏まえると、ありがたい機能かと思われます。
ただ、体表面積を使用する場面は、抗がん剤や腎機能低下患者における薬剤の用量鑑査時くらいではないでしょうか。
そういった処方が多く集まる薬局であれば活躍の場は多いだろうと思いますが、それ以外では滅多に使わないでしょう。
腎機能計算
患者の性別、年齢、体重、血清クレアチニン(SCr)を入力するとクレアチンクリアランス(CCr)&eGFRを算出してくれます。
- 男性:Ccr = {(140-年齢)×体重(kg)}/{72×血清クレアチニン値(mg/dL)}
- 女性:Ccr = 0.85×{(140-年齢)×体重(kg)}/{72×血清クレアチニン値(mg/dL)}
これも計算式の煩雑さという点から考えると便利な機能ではないでしょうか。
高齢者の3割が慢性腎臓病と言われる日本では、腎機能による用量チェックが必須となるため、常に腎機能値は確認しておかないといけません。
そうなると、これはかなり重要な計算キーなのでは⁉︎と思いますが、
実際、血清クレアチニン値だけが提示される場面ってほとんどないんですよね。
大きな病院では処方箋に血清クレアチニン値と共に、既にeGFR値を記載しているところがほとんど。
逆に個人の内科などの処方箋には血清クレアチニンなどは記載されていなく、患者さんに血液検査結果などを見せてもらえると、初めて知ることができます。
(それにも大抵一緒にeGFR値は記載されている。)
そう思うと、この機能も結局現場では活用しきれないのではと思われます。
日数計算
〇〇〇〇年○月×日の△日後がすぐ計算できます。
今まで正直微妙な機能が多かった中、これはとても便利!!
在庫計算でも、一包化予製作成など、〇〇日後の日付が欲しいシーンは現場ではいくらでも出てきます。
毎回カレンダー見ながら「えーっと、28日後は。。。」
とやっているのを電卓一発で計算してもらえるとなると、かなりの時短になるでしょう。
余り計算
90錠のピッキングを14錠シートの薬で行う場合
一般的な電卓では
90÷14=6.42857…
となるところ、
90÷14=6_6
と余りを表示して計算してくれる機能です。
答えに従い6シート&6錠を用意すればOKということです。
これも非常に便利!!
錠剤の漢方薬や、1シートが10錠じゃない薬のピッキング&鑑査に最高の機能だと思います。
業務効率化間違いなしです。
薬剤師電卓の値段
もう一度改めて値段を見ると
税込5,500円
楽天やアマゾンなど、ショッピングサイトによってはもう少し安いところもあります。
一般的な単純機能のポケット電卓が1,000円以下で購入できることを考えると、だいぶ破格のお値段と言えます。
電卓の中ではかなり高額な部類に入るのではないでしょうか。
薬剤師電卓は買いかどうか

値段も安くないので、本当に便利計算ツールに5,500円の価値があるかどうかが気になりますよね。
抗菌加工がどの程度か分からないという理由から、ひとまず抗菌加工やポケットサイズの特徴は抜きに考えてみました。
先ほどの検証結果をまとめると
- 重宝する→日数計算、余り計算
- そこそこ使うかも→力価計算
- 便利だけど使用頻度少なめ→体表計算、腎機能計算
- 全然使わなさそう→BMI計算、標準体重計算、散薬鑑査計算
悩ましいです。
実質
『日数計算と余り計算のためにこれだけの値段を電卓に出せるかどうか。』
にかかっていると思います。
これは各々の判断になるかなと思います。
個人的にはすごく迷うけど、購入はありかなと思います。
「普段日数計算と余り計算にかける時間を年単位のトータルで考えたら、この電卓での業務効率化でペイできるんじゃないか」
と考えました。
あとは勤務先によって、その他の計算機能で使用頻度が多いものがあれば、もちろんそれも加えて考慮したらいいと思います。
こうして今回電卓が壊れてみて改めて調べてみましたが、
「身近な人が使っている」「先輩のおすすめ」
など無い限り、なかなか“薬剤師電卓”の存在自体を知ることが難しいと思います。
普段何気なく使っている電卓一つでも業務効率化のヒントが隠れているかもしれません。
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