薬剤師になるには

薬剤師になるにはどの大学?現役薬剤師が大学選びのポイントを解説!

「薬剤師になりたい!」と思ったとき、どの大学を目指せばいいのか迷いませんか?

薬学部は全国にたくさんありすぎて、今の自分の偏差値だけで選ぼうかなと思いがちです。

しかし、本当に薬剤師になりたいのなら、大学選びの段階でいくつか見るべきポイントがあります。

ポイントを間違えてしまうと、薬剤師国家試験の受験資格すらもらえないかもしれません。

勉強の最中で大変かもしれませんが、ぜひ一度立ち止まって、一緒に薬学部の大学研究をしてみましょう。

薬学科と薬科学科はどうちがう?

大学を調べていると、薬学部には「薬学科」「薬科学科」の2種類の学科があることが分かります。

大きな違いは、薬学科は6年制薬科学科は4年制になります。

ここで注意しなくてはいけないのは、6年制の学科でなければ薬剤師資格はとれないということです。

あなたが将来、「薬局や病院で薬剤師として働きたい」「国家資格を取得したい」と思っているのであれば、選ぼうとしている学科が6年制であることをしっかり確認してください。

ここを間違えると、入学後でも大学を選び直す必要が出てきてしまいます。

インターネットで検索すると、「4年制薬学課程修了後、さらに大学院に2年以上在学すれば受験資格を得られる」との情報も出てきますが、これは2018年までの入学者に適応される制度です。

以下、厚生労働省より情報が出ています。

平成18年4月1日以降に4年制の薬科学科(新4年制薬学課程)に入学した者で、以下の条件にすべて該当する場合は、申請により受験資格の認定を受けられます。

(1)平成18年4月1日~平成30年3月31日の間に大学に入学していること。

(3)薬学の修士課程又は博士課程を修了していること。かつ、2年以上在学していること。

(4)6年制薬学課程の卒業に必要な単位を修得すること。

※実務実習を履修する大学の6年制薬学課程卒業に必要な単位を修得すること。

※大学に入学してから12年以内に、全ての単位を修得すること。

引用元:平成18年4月1日以降に4年制の薬学課程に入学した方|厚生労働省

個々の大学の制度で違いは出てしまいますが、薬剤師になるためには、これから大学入学する人であれば、基本的に最初から6年制の薬学科で学ばなくてはいけません。

ちなみに、薬学科と薬科学科の特徴の違いなどは、以下の記事にも載せていますのでご覧ください。

薬剤師になるには大学に何年通うの?6年制と4年制の違い知ってますか?

国家試験の合格率はどう捉えるべき?

学科の違いを見てきましたので、国家試験の受験資格を得るためのポイントは確認できました。

それでは実際、薬学科に入学すれば薬剤師資格はスムーズにとれるのでしょうか。

大学を調べていると、ホームページやパンフレットに「国家試験の新卒合格率98%!」と宣伝されているのを見ませんか?

一見、新卒合格率が高い大学なら、薬剤師国家資格も簡単にとれる印象を持ちます。

しかし、そのような新卒合格率からは、どれくらいの学生が留年しているかなどは読み取れません。

純粋に新卒合格率だけを見て大学を選んでしまっては、入学後に「思っているのと違った」とがっかりしてしまうかもしれません。

では、どのデータを見るべきなのでしょうか。

それは、留年や卒業延期をせずに国家試験に合格した割合を示す、「ストレート合格率」です。

文部科学省が出している資料より読み取ることができます。

少し複雑ですので、以下の記事に別でまとめました。

薬剤師国家試験の合格率を素直に信じてはいけない理由と真の合格率

入学後に後悔しないためにも、ぜひ一度、目を通してみてください。

国公立と私立はどうちがう?

ここまで薬剤師国家資格の取得に焦点を合わせ、大学選びで見るべきポイントをお伝えしました。

しかし、まだまだ大学を絞るには、難しいところがあるでしょう。

2022年現在、薬学科のある大学は全国で77校あります。

引用元:薬学教育関連:文部科学省

これだけの数があると、どの大学を選んでいいのか、まだ決めかねますよね。

そこで今度は大きく特徴が異なる、国公立大学と私立大学に分けて見ていきましょう。

これから大学を調べていると出てくる疑問について、現役薬剤師の視点も混ぜてお伝えしていきます。

国公立と私立だと学費はどれくらい違うのか

大学選びにおいて学費は気になるところですよね。

薬学科に行きたいとなると、一般的な大学よりも長い、6年間大学に行く必要があります。

その分学費も増えますから、なるべく安いところで親に迷惑をかけたくないと思うかもしれません。

まず国公立大学ですが、6年間で約350万円となります。

そして、私立大学は学校により違いはありますが、6年間で約1200万円かかります。

国立大学の約4倍といったところでしょうか。

ここにそれぞれ教科書代や通学費、下宿代などかかってきますので、私立大学だと経済的負担は大きくなります。

特に教科書は専門書が多くなりますので、やや高い印象です。

年間で10万円かかるなんてこともありました。

卒業してから教科書をメルカリで出品した時、かなりの売り上げが出たことを今でも覚えています。

また、薬剤師資格取得を目指している以上、勉強は難しいので、留年や卒業延期などの可能性も出てきます。

そうなると、より学費が増えてしまいますので、入学後も勉強に気を抜かずにいきたいところです。

国公立と私立の難易度は異なるのか

それぞれの学費を見てきたところで、経済的負担をかけたくないとなると国公立に通いたいと思うかもしれません。

それでは、実際の入試の難易度はどれくらいか、ざっくりと偏差値で比較してみましょう。

入試難易予想ランキング表 | 医・歯・薬・保健学系 国公立 | 河合塾 Kei-Net

入試難易予想ランキング表 | 医・歯・薬・保健学系 私立 | 河合塾 Kei-Net

国公立大学では最低でも偏差値57.5はないと合格は難しいようです。

一方、私立は大学によって難易度の幅は広く、高いところは偏差値60前後となっていますが、低いところだと偏差値30台となっています。

偏差値は出している予備校でも違いはありますが、純粋に値だけ見比べると国立大学の方が私立大学よりも難易度が高いと言えるでしょう。

本当に薬剤師は馬鹿でもなれるのか?才能よりも重要な薬剤師の資質とは?

国公立と私立の入試科目は違うのか

それでは、実際の入試で違いはあるのでしょうか。

国公立大学の場合は、まず共通テストを受けます。

共通テストは国立大学入試における一次試験のようなものです。

科目は国語、社会、数学、理科、英語と幅広く問われます。

共通テストで合格点を上回ると、二次試験へ進めます。

二次試験では、大学にもよりますが、数学、理科、英語が試験科目となるところが多いです。

一方、私立大学は、それぞれの大学で特徴はありますが、数学、理科、英語が試験科目となります。

国語や社会の文系科目が問われる大学はほとんどありません。

ですので、国公立大学を目指す場合は文系科目も勉強しなくてはなりませんが、私立大学の受験のみに絞る場合は理系科目を集中的に勉強できることになります。

国公立大学は幅広く勉強しなくてはいけないという意味でも、難易度は高いと言えるのかもしれません。

以下のサイトに、それぞれの大学の受験科目の違いなどが出ていますので、ご参照ください。

私立科目検索(独自方式)|大学選びなら大学受験パスナビ:旺文社

国公立でも私立でも薬剤師資格は取れるのか

学科の違いの項目でもお伝えした通り、6年制の薬学科を卒業していれば薬剤師資格試験を受験できます。

国公立でも私立でも薬学科はありますので、学科の選択さえ間違えなければ問題ありません。

しかし、国立大学で注意するべき制度があります。

それが、入試での一括募集です。

一括募集とは「大学入試の段階では学科を絞らず、入学後、2年生や3年生のタイミングで成績を加味し学科を決定する」制度のことです。

一括の範囲は大学によって異なり、「6年制の薬学科と4年制の薬科学科をまとめて薬学部として一括募集」の大学もあれば、「薬学部以外の理系学部も含めて一括募集」の大学もあります。

一括募集で入学した場合は、自分が将来的に薬学科を選択できるよう、在学中も好成績を維持する必要があります。

つまり、大学受験合格の段階では、薬剤師資格を取れるとは確約できないということです。

薬学部のある国立大学は、入試の段階でも偏差値が高いです。

その中で在学中に好成績を修めないといけませんので、国家試験の受験資格を得るだけでもかなり難しいことが分かります。

確実に薬剤師の国家資格を得たいと思っているのであれば、入試の段階で薬学科を選択できる制度を受験した方がいいのかもしれません。

国公立卒と私立卒で就職先は異なるのか

まず、薬学部の卒業生がどんな就職先に進むか、気になるのではないでしょうか。

それぞれの就職先の詳細は以下の記事でまとめておりますので、ぜひご覧ください。

薬剤師には多種類の仕事がある!医療機関だけじゃない薬学部の就職先

そんな中でも、薬剤師が就職する場所として上位に上がるのが「調剤薬局」「病院」「ドラッグストア」です。

この3つの業界に関しては、国立卒、私立卒に関係なく就職できる印象です。

しかし、特に病院で強く出ている傾向ですが、学生から人気のある職場に入りたいとなると、大学のネームバリューが重視されることがあります。

そうなると、優秀な学生がいるイメージの強い国公立大学の方が就職しやすいかもしれません。

企業への就職に関しては、製薬企業の営業職であるMR、新薬の治験に携わるCRC、医薬品卸の品質管理は私立出身者でもいます。

しかし、製薬会社の研究職や開発職は一般的に私立卒では難しいと言われています。

就職先の幅を広げておきたい、医療現場以外の職につきたいと思っているのであれば、国立大学を目指すべきかもしれません。

また、大学によって個々の強みがありますので、就職先が広がる可能性があります。

もし目指したい大学がある程度定まっているのであれば、卒業生の就職先を調べてみるといいでしょう。

薬剤師はこうして研究職へ転職!他では聞けない話教えます

国立卒と私立卒で給料は異なるのか

就職後の給料は完全に就職先に依存します。

極端な例ですが、同じ病院に新卒で薬剤師として入職したトップ国立卒のAさんと、偏差値30台の私立大卒Bさんの給料を比較してみるとします。

おそらくですが、給料は2人とも同じで、昇給も同じようにしていくでしょう。

しかし、前の項目で「製薬企業の研究職などは国立卒の方が就職しやすい」とお伝えしました。

あくまで傾向ではありますが、調剤薬局や病院に比べると、企業の方が給料は上がりやすいです。

そういった意味では、国立卒の方が給料が上がる職場に入りやすいと言えるでしょう。

ここまで聞くと、実際薬剤師はどれくらい稼いでいるのか気になりませんか?

2021年5月のデータですが、厚生労働省の資料をもとに職場別の給料をまとめた記事があります。

薬剤師の裏事情が垣間見えますよ!

薬剤師の平均年収2021最新版!男女•年齢•職業別と多方面から分析‼︎

ここまで国公立大学と私立大学を比較し、大学選びで気になるポイントに絞ってお話ししました。

また、学生の雰囲気なども違う印象があります。

以下の記事にも書いていますので、ぜひご覧ください。

薬剤師になるなら学費が安いし国立大学のほうがいい?学費だけじゃない私立との違い

まとめ

ここまで、薬剤師になるための大学選びについて、お伝えしました。

特に注意すべき内容は以下の通りです。

  • 薬剤師資格を取りたければ、必ず6年制の学科を選ぶ
  • 国家試験の合格率「新卒合格率」よりも「ストレート合格率」を見るべき
  • 国立大学の一括募集を選んだ場合、入学の段階では確実に薬剤師資格をとれるとは言えない
  • 国立卒の方が私立卒に比べると、就職の幅が広がりやすい

大学選びは今後の人生を左右すると言っても過言ではありません。

ぜひ、入学したい大学を見つけて、勉強を頑張る糧にしてくださいね!

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