
昨年はコロナ禍もあり、社会情勢と共に、業務自体も非常に大きな影響を受けた1年であったと思います。
そんな中のボーナスは、明細を確認するのにだいぶ緊張されたことではないでしょうか。
「薬剤師全体で見た時に、昨年のボーナスはどう動いたのでしょう?」また「年齢別の平均と比べて、あなたは今のボーナス額で満足していますか?」
この記事では、昨年の薬剤師のボーナスの紹介と共に、ボーナスアップを目指せる技もご紹介させていただきます。
今のボーナスにもし不満が出た際は、ぜひお試しいただきたいと思います。
最新の薬剤師の年間賞与額
厚労省が発表している最新版、令和2年度賃金構造基本統計調査によれば、2020年の薬剤師のボーナス額は年間92万円でした。
では、この92万円という額はコロナ禍において、上がったのでしょうか、それともやはり減少したのでしょうか。
一般的な2020年のボーナスは、ニュースや世間の雰囲気から見るに、新型コロナウイルスの影響で減少したと感じますよね。
実際、こちらは東証1部に上場している企業の年末の賞与の調査推移です。

東証第1部上場企業の2021年年末賞与・一時金(ボーナス)の妥結水準調査
2020年は2019年と比較して3.2%も減少していることが分かりますね。
また、2021年においても、まだ妥結段階で確定はしていませんが、2020年よりさらに減少することが見込まれています。
やはり一般企業はコロナによりボーナス額が減少し続けていると、データからも明らかになりました。
それを踏まえて、薬剤師の10年間のボーナス推移を表したグラフがこちらです。

2019年が82.58万円であったのに対して、2020年は92.09万円と明らかに上昇しています。
こちらを見ると、世の中の動きに反して、薬剤師のボーナスはコロナ禍で上昇したと言えるでしょう。
しかし、テレビなどのニュースで、
「コロナで医療従事者は大変な状況にも関わらず、患者数自体の減少で病院の収入は減っているから、ボーナスがカットされている」
という報道もよく見ましたよね。
あのニュースは本当だったのでしょうか?
職場によるコロナ禍ボーナスの動向
病院では減少した所もあったが、確保できた所も多いのでは
そこで、ここ3年間の医師と看護師のボーナスも検証してみましょう。

どうやら、医師・看護師に関しても2020年は上昇している傾向が伺えますね。
ニュースで報道されていたことは、もちろん嘘ではないと思います。
現に患者さんが受診控えを起こし、経営が悪化した医療機関が多いことも事実です。
ただ、おそらく多くの医療機関では、業務が忙しくなった分、雇用主がしっかりボーナスを確保してくれたという模様が伺えますね。
ドラッグストアは衛生用品の売り上げUPでボーナスもUP
また、ドラッグストアでは、昨年マスクや消毒薬・手洗い石鹸などが大量に売れました。
そのあたりの利益UPがボーナスUPに繋がった可能性もありますね。
現にドラッグストアで働く友人はボーナスが上がったと言っていました。
その代わり、売り切れ続出のマスクやガーゼ、ハンドソープの問い合わせで、日々の業務は相当目まぐるしかったようです。
調剤薬局は来局者減によりボーナスDOWNも
ちなみに、調剤薬局に関してはボーナスが減ったところもあるのではないでしょうか。
患者が病院の受診を控えるということは、その処方箋を持ってくる調剤薬局の来局が減る、ということに直結します。
収入が減少した調剤薬局が多かったことで、「ボーナスも下がった」という話を周りからチラホラ聞きます。
業務が明らかに減った分、仕方ないのかなという感じはありますが、明細を見て少し寂しい思いをするのも事実ですね。
製薬企業はコロナ関連の有無でまちまち
製薬企業に関しては、友人の話を聞く限り、コロナにまつわる医薬品の有無で、ボーナスも大きく異なりました。
例えば、医療用の消毒薬を主に生産している会社の友人は、定期のボーナス以外にさらに特別ボーナスが出たというくらいです。
コロナに効果がある可能性がある、と報道された薬を製造している会社の友人も、ボーナスUPしたと言っていました。
しかしその反面、昨年はジェネリック会社が相次いで大きな不祥事を起こしました。
それらの会社の従業員は、ボーナスが上がったとは到底思えませんね。
コロナの影響によりボーナスはまちまちだが、総合すると薬剤師全体ではUP
ボーナスがUPしたかDOWNしたかは、ある程度職場による傾向も出た1年であると思いますが、一概には言えないでしょう。
同じ職種でも、コロナの影響により明暗が大きく分かれた2020年でした。
ただ、薬剤師という大きな括りで見ると、確実にボーナスはアップしました。
2020年は日本の経済全体が冷え込みましたので、そんな中ボーナスアップを実現しているというのは、「薬剤師は経済危機にも強い職業である」と言えるかもしれませんね。
2020年薬剤師のボーナス 性別・年齢別
それではここからは、視点を変えて、年齢・または性別に分けて、昨年の薬剤師のボーナスを見ていきたいと思います。
年齢 | 男性 | 女性 |
20〜24歳 | 7.6 万 | 4.2 万 |
25〜29歳 | 67 万 | 68 万 |
30〜34歳 | 102 万 | 92 万 |
35〜39歳 | 122 万 | 92 万 |
40〜44歳 | 113 万 | 95 万 |
45〜49歳 | 141 万 | 117 万 |
50〜54歳 | 125 万 | 98 万 |
55〜59歳 | 130 万 | 98 万 |
60〜64歳 | 87 万 | 83 万 |
65〜69歳 | 55 万 | 36 万 |
70歳〜 | 49 万 | 37 万 |
今のご自身のボーナスと、比較されていかがでしょう。
男性は30代から50代までボーナス額が100万円を超えていますが、女性では100万円を超えているのは45〜49歳だけですね。
そして、25〜29歳に関しては、女性の方がわずかにですが、高い額を支給されています。
卒業後の働き盛りの時期は女性も第一線で活躍しますが、次第に子育てなどで働き方を変えて行っている様が、薬剤師のボーナスにも現れているのではないでしょうか。
ボーナスアップを目指すには
ご自身のボーナスの現状を、客観的に比較していかがでしたでしょうか。
ボーナスは年に2回のことですが、やはり多くもらえるにこしたことはないですよね。
そこで、ボーナスUPを目指せる方法についてお伝えします。
現職で頑張る
具体的な評価項目をしっかり把握する
ボーナスは頑張っていたらUPする、というものでもありません。
もちろん頑張るに越したことはないのですが、ボーナスの評価項目と月収自体がアップする昇給の評価項目を、分けている会社が多いと思います。
ボーナスをUPさせるためには、がむしゃらに頑張るのではなく、評価項目の内容をしっかり把握して、それに沿った働きをアピールするのが一番でしょう。
SMARTの法則を意識する
特に薬局やドラッグストアでは、店舗ごとの動きが、本社まで詳細に伝わるのは難しいです。
数値化できる目標を立て、そこで成果を挙げるのが良いでしょう。
目標を立てる上で、SMARTの法則という言葉があるのをご存知でしょうか?
- Specific:「具体的に」
- Measurable:「数値化された」
- Achievable:「達成可能な」
- Relevant:「関連性(個人目標が組織の目標に関連している)」
- Time-bound:「期限を明確に」
こちらの頭文字をとって、SMARTの法則といいます。
「かかりつけ患者を1ヶ月に○人以上新規獲得することで、半年の合計〇〇人を目指す」
「薬局の在庫数を毎月末、○ヶ月分未満に保つ」
など、明確にクリアできたかどうか、誰から見ても分かる目標設定をしましょう。
昇進・役職をつける
昇給や役職アップというのは、分かりやすいボーナスアップの手段ですね。
そもそもボーナスの計算は、基本給に対して何ヶ月分という計算方法を取るため、昇進などにより基本給がアップすれば、もちろんその分ボーナスも増えます。
昇進のチャンスは年に1〜2回と職場の規定があると思いますが、例えば管理薬剤師などは、他の人の転職や産休などで、急に空きが回ってくることも多いです。
そういった際にご指名が来るよう、普段から「管理薬剤師としてもしっかり働ける」というアピールをしておくといいですね。
転職する
職場別の年収は、だいたい以下のように言われています。
職場 | 年収 |
病院(一般職) | 350〜450 万 |
調剤薬局 | 400〜600 万 |
ドラッグストア | 500〜700 万 |
製薬会社 | 500〜1000 万 |
ボーナスも年収に比例して良くなっていると考えていいでしょう。
実際、一部の製薬会社の平均ボーナスは200万円超えであるというデータが出ています。
✳︎四季報ではボーナス額のほかに、有給・残業時間・業績など会社のさまざまな実情を知ることができます。
現職のままでも、役職が付いたりすれば、ボーナスの大幅UPも期待できますが、どうしても同じ会社でのボーナスUPには、限界があることも事実です。
現状、役職UPまでは遠い段階で、ボーナスUPを行いたいのであれば、思い切って、高額なボーナスが見込まれる職場に転職するというのも一つの手ではないでしょうか。
現職となるべく同じような仕事内容で探すのであれば、ドラッグストアへの転職でボーナスアップが目指せるでしょう。
また、製薬企業への転職は狭き門ですが、可能性はゼロではありません。
特に、MRや学術などであれば、現役薬剤師の知識が活用できるため、企業側の需要も少なからずあります。
ボーナスアップだけのために転職を、というのは決め手に欠けるかもしれませんが、こういった職場ではもちろん、基本給も高く設定されています。
ボーナス、ひいては、年収全体の底上げに繋がるでしょう。
転職を考えたときに気になること
「どうしようかな、転職もありかも」となっても、いざ行動に移す前にいろいろと気になることもあるかと思います。
そこで、転職の際に感じやすい、ボーナスにまつわるお悩みを、以下に挙げてみました。
ボーナス後が狙い目?もらい逃げって大丈夫?
転職をする際、おおよその人は「せっかくだからボーナスをもらってから転職しよう」と考えます。
その考え方に関しては、それほど不自然ではないでしょう。
実際、薬剤師の転職はボーナス後に行われることが多いです。
ただ、当たり前のような顔をして、ボーナス直後に辞めると公言するのは、やめておきましょう。
会社によったら、退職の意思が決まっているのであれば、ボーナスが減額される可能性があります。
ただ、ボーナスをもらったのを確認してから「今月末で会社辞めます」では、さすがに社会人失格です。
会社の規定で、「退職は〇ヶ月以上前には必ず申告するように」と決まっていると思います。
ボーナスの査定を確定させてから、会社規定で決められた期間以上前には必ず伝えましょう。
そう言った最低限のルールを守り、現場での引き継ぎをしっかり行えば、ボーナス後に転職することは、責められることでは全くありません。
ボーナスはほぼ無しだけど、パート転身もあり?
正社員と異なり、パートという雇用形態では、残念ながらボーナスはほとんどもらえません。
実際、2020年のパート薬剤師のボーナスの平均額は93,900円であるとデータが出ています。
気持ち程度の額しか支給されないのが現実です。
ただ、ボーナスという面ではそうですが、「実は年収という単位で考えると、正社員薬剤師とパート薬剤師では差がない」ということもできます。
詳しいシミュレーションをこちらで行っていますので、ご参考ください。
驚愕!薬剤師はパートと正社員で年収が変わらない!?パートに転身するには?
単純にボーナスだけでなく、広い面で考えるとパート薬剤師でもまったく問題ないかもしれません。
ボーナスUPの転職ならリクナビ薬剤師
もし、ボーナスアップを目指し転職を考えるのであれば、数ある転職サイトから、リクナビ薬剤師を活用されることをおすすめします。
企業求人に強い
ボーナスを大幅に上げたいという目的を達成するのであれば、やはり企業への転職が一番でしょう。
リクナビ薬剤師は、人材総合大手のリクルートグループが運営しています。
そのため、薬剤師業界だけでなく、一般企業の案件に強みがあるのが特徴です。
製薬企業やCROなど、薬剤師として活躍できる企業の求人案件を、他社と比べて豊富に選ぶことができるでしょう。
大幅なボーナスアップを狙うべく、製薬企業への就職を視野に入れるのであれば、ぜひリクナビ薬剤師をご活用ください。
大手ドラッグストアにも強い
リクナビ薬剤師は、大手のドラッグストアへの転職に対しても強い力を持っているでしょう。
業界の中でもドラッグストア(特に調剤併設)の求人が多いという特徴があります。
また、リクナビ薬剤師は他の転職サイトと違って、派遣や業務委託と言った薬剤師の雇用形態を取り扱っていない分、正社員・パートの薬剤師の転職に力を入れています。
現職に近い仕事内容で、ドラッグストアへの転職を考える際も心強いと思いますよ。
まとめ

コロナ禍にあった2020年、薬剤師のボーナスは全体で見ると上昇していました。
ただ、新型コロナの影響により、ボーナス額の上下には、同じ薬剤師内でも大きくばらつきがあったと予想されます。
現状の薬剤師のボーナスを年齢・性別で分けて考えたとき、ご自身のボーナスと比較するといかがだったでしょうか。
ボーナスをUPさせる技として、現職のままUPさせる方法と、転職してUPさせる方法をお伝えさせていただきました。
同じくコロナ禍が継続している2021年においては、薬剤師のボーナスはどう動いていくのでしょうね。
さらに今年のボーナスの明細が出た時に、何か感じることがあるかもしれません。
その際にも、この記事がお役に立てれば嬉しいです。
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