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AIが進化すると薬剤師の仕事がなくなるってウソ?ホント?

「AI(人工知能)が進化すると仕事がなくなってしまうんじゃないか?」という話を、最近よく耳にしませんか?

「AIに仕事を奪われる職業」なんて記事も増えていますよね。

薬局では、調剤監査システムや電子お薬手帳などテクノロジーの活用が急速に進んでいます。

AIが登場することで薬剤師の仕事もなくなってしまうかもしれません。

AIが薬剤師の業務にどんな影響を与えるのか考えてみようと思います。

そもそもAIってナニ?

AIとは、Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)=人工的な、知能・知性という意味。

具体的には「人間が考えて行うことを、ソフトウェアを使用して人工的に再現したもの」です。

単純な計算ではなく、人間のように考えて答えを出すことができる技術やシステムのことを言います。

最近では、将棋や囲碁でAIと人間が対決したことが話題になっていましたよね。

しかも、プロ棋士に勝っているのだから驚きです。

人間を打ち負かすなんて、ちょっと怖いイメージがありますが、果たしてAIってどんなことができるのでしょうか?

AIが得意とすること

人間にとって代われる、なんでもできる印象がありますが、AIにも得意・不得意があるようです。

今までコンピュータに計算をさせるには、コンピュータが計算しやすいようにデータを加工する必要がありました。

しかしAIは、未加工の膨大なデータからパターンや特徴を見つけ出し、新しく分類したデータを作ることを得意としています。

例えば、人が笑ったり、悲しんでいる膨大な画像データをAIに学習させておけば、

カメラの前に立った人がどの様な表情なのかを瞬時に判定できるようになります。

薬局では、季節や薬の出庫データ、風邪やインフルエンザの流行情報など大量のデータがあれば、

薬の需要予測や在庫管理にとても役立ちそうです。

データ処理に関しては、人間とは比べ物にならないほど素晴らしい能力を持っていますよね。

たくさんのデータがあれば、AIはそれを学習・分析して、人間よりもはるかに早くて正確な情報を導き出してくれるんです。

AIが不得意なこと

反対にAIが不得意なことは、相手を思いはかったり、ゼロから新しいことを創り出すことです。

そして、AIが学習するのに充分なデータがないものも分析結果に影響が出てしまいます。

薬局で言えば、患者さんの質問や相談に答えるには、一人一人の生活習慣、病歴、服用歴、仕事、性格などを読み取る必要があります。

その情報をもとに、声の調子や表情を見て、患者さん本人が気がついていない問題を見つける力が必要ですよね。

これは、AIにとってはかなり難しいように思います。

私の経験ですが、ずっとめまいが治らない患者さんを受け持ったことがあります。

色々な薬を試したり、血液検査やMRI検査をしても改善方法が見つからず、医師も患者さんもとても困っていました。

ふと患者さんの顔を見た時、「メガネが合っていないんじゃない?」と思い、

作り直してもらったらウソみたいにめまいがなくなったことがあります。

これは、いくら患者さんの病歴や服用薬、血液検査などのデータを、AIが分析しても解決できなかったと思います。

患者さんと顔を合わせて話をし、一瞬のひらめきから答えが出た、人間でしかできない例だと思います。

AIが人間のように何でもできる「人工知能」になるには、

  • 相手を気遣ったり、
  • 少ない情報からでも答えを導き出す必要がある

ので、まだまだ時間がかかりそうですよね。

薬剤師の仕事におけるAIの活用

改めて薬剤師の仕事内容を見て見ましょう。

業種によって仕事内容は異なりますが、一般的には病院や薬局で働いている薬剤師が多いと思うので、調剤を例にします。

薬剤師の主な業務である「調剤」の流れは

  • 処方受付
  • 処方監査
  • 疑義照会
  • 調剤
  • 薬剤監査
  • 服薬指導
  • 交付・会計
  • 薬歴管理

というふうに進みます。

業務ごとにAIの活用を考えてみます。

処方監査・疑義照会

AIは、膨大なデータをもとに分析・学習し、すばやく正確なデータを導き出すことが得意なので、

処方監査は、まさに得意分野と言えます。

患者さんの年齢、性別、身長、体重、病歴、血液データ、体質、副作用歴などのデータがあれば、薬が適切か判断してくれると思います。

さらに、服薬状況や体調から薬の変更提案などもしてくれそうです。

しかし疑義照会は薬剤師が行わなければいけない業務だと位置づけられています。

薬剤師法第24条「薬剤師は、処方せん中に疑わしい点があるときは、その処方せんを交付した医師、歯科医師又は獣医師に問い合わせて、その疑わしい点を確かめた後でなければ、これによって調剤してはならない」
処方箋の交付義務 医師法第22 条 – 厚生労働省

疑義照会は、医師との信頼関係やコミニュケーションが求められますよね。

AIがチェックしてくれたものを、薬剤師が医師とコミニュケーションをとって確認すれば、

より確実で安心な調剤になりそうです。

調剤業務

調剤業務は、AIの進化を待つまでもなく、すでにロボットなどのシステムを導入する病院や薬局が増えています。

人間では不可能な正確な動作に、なんだか見とれてしまいますよね。

薬剤師が最終的なチェックをするだけで、あとは機械にお任せするだけなので、薬剤師の心理的負担が大きく減りそうです。

オートメーション・ヒューマンエラーゼロで、薬剤師が患者さんと向き合う時間を作ってくれます。

服薬指導

服薬指導においては、薬の副作用や相互作用、注意点など情報提供だけであれば、AIの方が人間よりも正確です。

しかし、者さんの表情や声、行動から体調変化や気持ちを読み取ることは、AIでは不可能です。

どんな高性能なAIでも、患者さんごとに違う生活環境や生活習慣、患者さんが言おうとしない情報を

会話の中から導き出すことはできません。

患者さんに正しく薬を飲んでもらうために、患者さんから情報を引き出し、

薬の必要性と飲み方を説明することこそ、これからの薬剤師に求められている仕事です。

薬歴管理

薬歴は、調剤報酬を算定するために必要な要件ですが、未記載が問題となり、たびたび問題視されてきました。

日々の業務に追われて、疎かになってしまうケースが多々あります。

忙しいことを理由に薬歴を記載しないなんてことは許されないので、薬剤師が必ず書かなければいけません。

薬歴の記載には、AIの音声認識などを利用して、リアルタイムに記載をしたり、より速く正確に行えるので効率化が進みそうです。

患者さんの服用歴や指導歴など薬歴の内容が充実することで、より素晴らしい服薬指導ができるようになる

ので、ぜひともAIの力を借りたくなります。

その他

薬やOTCの在庫の管理も、AIに任せられたなら、薬剤師がすべき業務に、もっと集中できそうですよね。

さらに、無駄な在庫を持つ必要がなくなるので、経営的にも大きなメリットとなります。

薬剤師の仕事は変化する

現在は調剤の仕事を一手に引き受けている薬剤師。

処方内容が正しいのか、処方箋に不備はないのかを確認し、正確に患者さんへ薬を渡すことが求められます。

ミスをしないことが前提なので、常に集中する必要があり、とても気を使いますよね。

その業務を、正確に作業することが得意なAIに任せられたなら、どうでしょう。

もっと患者さんに向き合う時間が増え、精神的・肉体的負担が軽減しそうです。

これからの薬剤師の仕事は対物業務から、より患者さんへ寄り添った対人業務へのシフトが求められます。

対物業務にAIを活用することで、薬剤師本来の仕事である

「患者さんに寄り添った服薬指導」

が出来、より一層活躍できるのではないかと思います。

薬剤師なんて不要?必要とされる薬剤師であるために必要なことは?

まとめ

AIによって仕事がなくなってしまうのではないかと言われていますが、

人間にとって代わってどんなことでも出来る訳ではなく、

得意、不得意があることがわかりました。

薬剤師の仕事は、

対物業務から対人業務へのシフトが進められています

AIを活用することで、仕事がなくなるどころか、むしろ薬剤師が対人業務に集中でき、様々なメリットが生まれそうです。

AI技術の発達によって、より患者さんへ役に立つ仕事ができるようになると思いました。

「仕事がなくなるかも」

とマイナスにとらえるのではなく、より患者さんのためになる仕事がしやすくなると考えて、薬剤師になるためには何が必要かを常に考えていきたいですね。

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